水素ステーションは順調な伸び、水素モデル都市に河北省と河南省も選定

(中国)

上海発

2022年04月25日

新エネルギー・新素材関連のシンクタンクTrend Bankは4月21日、中国の水素ステーションに関するデータを発表した。発表によると、中国の水素ステーションは2022年4月19日までにチベット自治区、青海省、甘粛省以外の28省・直轄市・自治区に合計で264カ所建設されている。地域別では、広東省が50カ所、山東省が28カ所、江蘇省、浙江省が21カ所、上海市、湖北省が15カ所、北京市が14カ所、河北省が13カ所、遼寧省が10カ所などだった。石油大手の中国石化は2019年以降、水素ステーション建設を開始し、現在まで76カ所を建設、運営している。

水素をはじめ中国の新エネルギー産業動向に詳しい、インテグラルの中西豪総経理は、水素ステーションについて「70メガパスカル(MPa)の高圧仕様のステーションは、まだ全体の10%以下だが、既存のステーションにおいて70メガパスカル対応の高圧仕様化の傾向があり、ガソリン給油、充電と水素充填(じゅうてん)も合わせた総合ステーションの建設も増加している。また、マザーステーションと呼ばれる大型の水素ステーションが増える傾向にある。日本企業にとっては、高圧化、高出力化、大容量化などが新たなビジネスチャンスになると考えられる」と述べた。

燃料電池自動車モデル都市群の指定地域を拡大

中国における水素ステーション建設増加の牽引役として期待されているのが、燃料電池自動車モデル都市群だ。既に北京市、上海市、広東省がモデル都市群として選定されているが(2021年9月7日記事参照)、2021年12月には河北省および河南省が、省外の他都市・地区を巻き込むかたちでモデル都市群に選定されている。

河北省モデル都市群は、河北省張家口市を先導役とし、唐山市、保定市、邯鄲市、秦皇島市、定州市、辛集市、雄安新区、内モンゴル自治区鳥海市、上海市奉賢区、河南省鄭州市、山東省淄博市、聊城市、福建省アモイ市を対象としている。

河南省モデル都市群は、河南省鄭州市、新郷市、開封市、安陽市、洛陽市、焦作市、上海市嘉定区、奉賢区、上海自由貿易試験区臨港新片区、河北省張家口市、保定市、辛集市、山東省烟台市、シ博市、イ坊市、広東省仏山市、寧夏回族自治区寧東鎮を対象としており、燃料電池スタック、膜電極、双極板、プロトン交換膜、触媒、カーボンペーパー、空気圧縮機、水素循環システムなどの川上・川下産業分野をカバーするとしている。

(高橋大輔)

(中国)

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