消費拡大に向け、自動車購入規制の緩和などを発表

(中国)

北京発

2022年04月22日

中国で4月13日に開催された国務院常務会議において、消費や貿易の拡大を目的として、自動車購入規制の緩和、輸出企業への支援強化などが発表された。

会議では、消費に関して、(1)新型コロナウイルスの影響に対応した消費の回復・発展の促進、(2)スマート製品・サービスなどの新型消費の促進、(3)重点分野の消費拡大、(4)農村部における消費潜在力の掘り起こし、などを行うとした。

そのうち、(1)については、既に打ち出された特に困難な業種(飲食業、小売業、観光業、航空業、道路・水路・鉄道輸送業)に対する支援策(2022年4月19日記事参照)の実施を徹底し、基本的な消費財の供給を保障するとともに価格を安定させ、円滑な物流を保障するとした。

(3)では、自動車、家電、医療サービス、託児サービス、介護サービスなどを重点分野として消費拡大を目指す方針が打ち出された。特に自動車については、各地方政府が購入規制を新たに導入することを禁止するとともに、既に実施済みのナンバープレート規制(注)などの販売規制を緩和するほか、新エネルギー車の消費および新エネ車用の充電スタンドの設置を促進する。

(4)の農村部の消費拡大については、商業貿易・流通企業や電子商取引プラットフォーム運営業者のサービスの提供範囲を農村部に拡大することを促し、農村部での質の高い消費を推進する方針が打ち出された。

また、輸出入の安定的な発展を促進するため、輸出税還付に要する日数を従来の平均7営業日から6営業日以内に短縮することなども決定された。

今回の会議で決定された自動車消費の拡大について、中国自動車工業協会の陳士華副秘書長は「北京市、上海市、広東省広州市・深セン市など大都市においては自動車の購買力が強い一方、これらの都市ではナンバープレート規制などの自動車購入規制が厳しく、現状では購入需要が十分に満たされていない状態にある。これらの都市は規制緩和の突破口になるかもしれない」とコメントした(「財新網」4月14日)。なお、北京市交通委員会が発表した「2022年北京市小客車(乗用車)指標総量および割り当て比率に関する通告」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年の北京市の乗用車ナンバープレート交付枚数は普通車が3万枚、新エネ車が7万枚の計10万枚となった。合計枚数は前年と同じだが、新エネ車の交付枚数は前年より1万枚増加した(普通車は1万枚減少)。

(注)中国の一部の市や省では、環境問題の改善や渋滞の緩和などを目的としてナンバープレートの交付枚数について上限を設けており、ナンバープレートが交付されなければ、自動車の購入資格が得られない。

(趙薇)

(中国)

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