新型コロナの影響が大きい5業種に対する支援策を発表

(中国)

北京発

2022年04月19日

4月6日に開催された中国の国務院常務会議において、新型コロナウイルスによる企業活動への影響の緩和と雇用維持を目的として、新型コロナウイルスの影響が特に大きい5業種(飲食業、小売業、観光業、航空業、道路・水路・鉄道輸送業)に対する各種支援策が発表された。

具体的には、上記5業種に対して2022年第2四半期の養老保険料の支払いを猶予するほか、新たに航空業と道路・水路・鉄道輸送業を失業保険、労災保険の支援策(段階的に支払い猶予を実施)の適用対象に加えることで、これらの業種の企業(特に中小企業、零細企業、個人事業主)の資金負担を軽減するとした。

さらに、人員削減を行わない、あるいは人員削減数が少ない中小企業・零細企業に対する前年の失業保険料の還付比率を、条件を満たす地方では60%から最高で90%まで引き上げることができるとした。このほか、地方政府が失業保険基金残高の4%を職業技能訓練に用い、新型コロナウイルスの影響で経営状況が困難な状況にある中小企業・零細企業に対して、従業員の雇用を継続し職業訓練を行うための単発の補助金を支給することも盛り込まれた。

粤開証券の羅志恒首席エコノミストは、上記の支援策の発表について「最近のコロナの影響を踏まえ、政府がミクロ主体の困難の解決や雇用維持に力を入れている」とコメントした。

政府は、新型コロナウイルスの影響を受けている企業への支援策を相次いで打ち出している。2月18日には、国家発展改革委員会などが飲食業、小売業、観光業に対し、失業保険料や労災保険料の段階的な納付猶予を行うことや、地方政府による国の基準を上回る予防抑制措置の追加禁止などを発表した(2022年2月25日記事参照)。また、3月28日には、国有資産監督管理委員会が傘下の中央国有企業に対して、所有する不動産に入居する小規模・零細サービス業や個人事業主の家賃を一定期間減免することなどを通知している(2022年4月6日記事参照)。

(趙薇)

(中国)

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