海南省から広東省に初めて電力を輸送、電力の相互融通を強化

(中国)

広州発

2022年04月27日

中国の海南電力網(以下、海南電網)は4月18日、16~17日に海南省から海底ケーブルを通じて広東省に20万キロワットの電力を初めて輸送したと発表した。広東省では2021年に、電力不足により日系企業の生産活動にも大きな影響が出たことから(2021年9月30日記事参照)、2022年の電力需給の動向に関心が集まっている。

ジェトロと広東省商務庁が4月15日に、同省への投資促進およびビジネス環境改善を目的として開催した座談会において、省能源局は2022年の電力需給状況などについても説明。説明の中では、同年の同省の電力需要を前年比7%増と予測したうえで、電力供給を保障するための措置として、他省からの電力供給拡大も盛り込んでいた(2022年4月15日記事参照)。今回の電力輸送は、その一環とみられる。

海南電網の龍致遠マネジャーは、同日付の発表の中で「海南省と広東省の電力需給・負荷状況の分析を踏まえ、(両省の)電力使用のピーク時間帯が異なっている点を利用して柔軟に調整しながら、両省の電力の過不足を相互に補完する。今回の電力輸送は南方地域(注)の電力過不足の調整機能の発揮や、より広範囲での資源最適化にもつながった」と述べた。また、中国共産党中央委員会と国務院が4月10日に発表した「全国統一市場の建設の加速に関する意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2022年4月20日記事参照)の方針に基づき、同社としても今後、海南省と南方地域との間で電力市場の協力を深化させ、全国統一の電力市場の構築を推進する方針を示した。

(注)広東省、海南省、広西チワン族自治区、貴州省、雲南省の5省・自治区。

(梁梓園)

(中国)

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