広東省は電力制限をさらに強化、週5日を超える制限も

(中国)

広州発

2021年09月30日

中国広東省では、2021年5月から企業に対する電力制限が断続的に実施されている。主な要因は雲南省などでの降雨量減少に伴う水力発電による発電量の減少や高温による需要増などが指摘されている(2021年5月12日記事参照)。8月にはいったん電力状況が改善したものの、9月に入って特に15日以降はこれまでよりもさらに厳しい電力制限が実施されている。

ジェトロは9月17日、広東省各地の日系商工会を通じて進出日系企業の電力制限状況を確認したところ、180社の企業から回答があった。

地域別にみると、電力制限を受けているのは、東莞市が49社、広州市48社、仏山市32社、中山市23社、恵州市19社、深セン市5社、その他4社(珠海市、肇慶市、開平市、鶴山市各1社)だった。電力制限(注1)の頻度は、回答企業の過半数が1週間の大半で操業できないことが分かる(添付資料表参照)。業種別でみると、自動車関連、電気電子関連、プラスチック製品製造関連、金属製品製造関連の企業で電力制限を受ける企業が多い。

広州市では、事前予告なしに電力供給を遮断されたケースもあり、生産設備の破損や従業員のけがなどが発生する可能性も懸念される。ジェトロは26日、広東省商務庁とエネルギー局に対し、これら日系企業の状況と早期改善を求める要請を行った。

広東省や江蘇省などに製造拠点を持つ日系企業によると、10月末までの電力使用量を8月に使用した電力使用量の約半分に抑えるよう政府から要請を受けているという。電力の正常化は少なくとも10月末までは難しいとの見方が多い。

広東省エネルギー局の劉文勝副局長は27日、電力不足の要因について以下3点を挙げた。第1に、広東省経済の急速な回復に伴う電力消費量の急増している。1~8月の広東省の電力消費量は前年同期比17.3%増の5,253億キロワット時(kWh)で、1月~9月23日の最大需要電力は全国最大の1億4,100キロワット(kW)に達する。第2に、高温日の継続と電力負荷の増加。広東省では今季の気温が最高34~38度になるなど、例年と比べ3~4度高い。気温が1度上がるごとに、電力負荷は200万~300万kW高まるといわれている。第3に、省内発電所における能力の限界。天然ガスや石炭価格の高騰、これら電力用資源の供給不足、天然ガスや石炭の価格上昇により、火力発電企業が採算悪化を恐れ発電に消極的なことを挙げた。

国家発展改革委員会が8月17日に発表した「2021年上半期各省のエネルギー消費量完成状況」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、広東省はエネルギー消費強度(注2)の削減とエネルギー消費量の削減で、いずれも目標達成が厳しい状況にあるという2021年9月27日記事参照

(注1)電力制限時間は企業により異なるが、午前8時~午後11時、午前8時~翌日午前0時、午前9時~翌日午前0時など、日中の勤務時間の全てを含む時間帯で電力供給が止められている。

(注2)エネルギー消費強度とはGDP単位当たりのエネルギー消費量を指す。

(梁梓園)

(中国)

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