2021年のベトナムスタートアップへの投資、過去最高を記録

(ベトナム)

ハノイ発

2022年04月28日

ベトナム計画投資省(MPI)傘下の国家イノベーションセンター(NIC)と地場ベンチャーキャピタルのドゥー・ベンチャーズ(Do Ventures)は4月21日、ハノイ市内のNIC本部(注1)で「Vietnam Innovation & Tech Investment Report 2021」を発表した。同レポートは2021年のベトナムスタートアップへの投資動向などをまとめたもので、前年に続き2度目の発表となる。

同レポートによると、2021年のベトナムスタートアップへの投資動向のポイントは以下のとおり。

  • 2021年のベトナムスタートアップへの投資は165件(前年比57.1%増)、14億4,200万ドル(3.2倍)。新型コロナウイルス流行下で投資が低迷した2020年の105件、4億5,100万ドルより大幅に増加した。大型投資があった2019年(注2)の126件、8億7,400万ドルも上回り、件数・金額とも過去最高となった(添付資料図参照)。
  • 電子決済を手掛けるモモ(MoMo)と、人気ブロックチェーンゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」を手掛けるスカイメイビス(SkyMavis)の2社のユニコーンが2021年に誕生。ベトナムのユニコーンは計4社(注3)になった。ベトナムには評価額が数億ドルの企業は数十社あり、今後も新たなユニコーンの誕生が期待される。
  • 「電子決済」と「小売り」は、依然として投資を引き付ける上位2分野。続いて、SkyMavisの成功も牽引した、「オンラインゲーム」が3位に上昇。2021年は、この上位3分野で1億ドル超の大型案件が5件誕生。このほか、「ヘルスケア」「教育」「ビジネスオートメーション(自動化)」などへの注目も高まりつつある。
  • ベトナムで活動する投資ファンドの総数は、2020年の108社に対し、2021年は60%増の173社となった。国別では、シンガポールに拠点を置く投資ファンドが最多で、ベトナム、米国がそれに続く。日本の投資ファンドは2020年の7社に対し、2021年は11社に増加した。

チャン・ズイ・ドン計画投資副大臣は同レポートの発表式で、「新型コロナウイルスの流行は社会や経済に大きな影響を与えたが、同時にデジタルトランスフォーメーションを促す触媒にもなっている」と述べた。

写真 ハノイ市内のNIC本部(ジェトロ撮影)

ハノイ市内のNIC本部(ジェトロ撮影)

(注1)国家イノベーションセンター(NIC)は、ハノイ郊外のホアラック・ハイテクパークで建設が進められている複合施設(2021年1月20日記事参照)。工事完了までは、ハノイ市内カウザイ地区のNIC本部で立ち上げ準備を進めている。

(注2)2019年には、電子商取引(EC)サイトのセンド(Sendo)やティキ(Tiki)などへの大型投資があった(2020年2月3日記事参照)。

(注3)ベトナムのユニコーンの1例目は、SNSやオンラインゲームなどを展開するVNG。2例目は、電子決済大手のベトナム・ペイメント・ソリューションズ(VNPAY)。

(新居洋平)

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