オーストラリア、インドとの経済協力・貿易協定に署名

(オーストラリア、インド)

シドニー発

2022年04月04日

オーストラリアのダン・テハン貿易・観光・投資相は4月2日、インドとの経済協力・貿易協定(AI-ECTA)に署名したと発表した。オーストラリアにとってインドは7番目に大きな貿易相手国で、2020年の双方向の貿易額は243億オーストラリア・ドル(約2兆2,356億円、豪ドル、1豪ドル=約92円)となっている。

両国は2021年10月、包括的経済協力協定(CECA)の締結に向けて交渉を再開した(2021年10月1日記事参照)。2022年3月に開催した首脳会談(2022年3月25日記事参照)では、早期の暫定合意に加え、2022年末までに最終的な合意を目指すことをあらためて確認していた。今回のAI-ECTAは暫定協定であり、両国は今後もCECAの締結に向けて引き続き取り組むとしている。

連邦政府が発表したAI-ECTAの概要外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、オーストラリアからインドへの輸出では、羊肉、羊毛、石炭、アルミナ、マンガン、銅、ジルコニウム、チタンなど、輸出額の85%(126億豪ドル)以上で関税が即時撤廃される。ワイン、イチゴ、オレンジなどでも関税が引き下げられるほか、アボカド、タマネギ、ナッツ類、医薬品や医療機器などについては関税撤廃期間を設け、今後10年間で輸出額の約91%(134億豪ドル)で関税を撤廃する。インドからオーストラリアへの輸出でも96%で関税が即時撤廃されるという。

サービス分野では、専門資格の相互認証の取り組みを推進するほか、高等教育、税務、医療、建築・建設、研究開発、通信、金融・保険、観光などの31分野で、インド市場へのアクセスが将来的に改善される。また、インドからのワーキングホリデーの受け入れを開始するほか、STEM(科学、技術、工学、数学)や情報通信技術分野で優秀な成績を修めた学生の卒業後の就労可能期間を2年から3年に延長するなど、観光・教育分野での関係も強化するとした。

(住裕美)

(オーストラリア、インド)

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