オーストラリア、インドとの包括的経済協力協定交渉を再開

(オーストラリア、インド)

シドニー発

2021年10月01日

オーストラリアのダン・テハン貿易・観光・投資相は10月1日、インドのピユシュ・ゴヤル商工相とともに、2国間の包括的経済協力協定(CECA)の締結に向けた交渉の再開について声明を発表した。両国は、2021年12月までに暫定合意し、2022年末までに完全なCECAの締結を目指す、としている。

オーストラリアとインドは2008年4月、自由貿易協定(FTA)の実現可能性に関する共同研究を開始することで合意。この共同研究では、FTAが両国の経済成長、モノとサービスの貿易、投資、その他の商業関係などに対してどのような影響を与えるのかについて研究が行われた。共同研究は2010年5月に完了し、2011年5月に交渉開始に合意した。2015年9月までに、財貿易、・サービス条項原産地規則、通関手続き、衛生・植物検疫(SPS)および技術的貿易障壁(TBT)、市場アクセスについて議論が進められたが、その後に交渉は中断。2020年6月、オーストラリアのスコット・モリソン首相とインドのナレンドラ・モディ首相の間で行われた首脳会談において、CECAに再び取り組む方針が示されていた(2020年6月12日記事参照)。

テハン貿易・観光・投資相とゴヤル商工相は声明の中で、「2国間の貿易・投資の拡大を促進し、ルールに基づく国際貿易システムに対する両国のコミットメントを反映した、バランスの取れた協定の必要性について合意した」と述べた。

オーストラリアにとってインドは7番目に大きな貿易相手国で、2020年の2国間貿易は240億オーストラリア・ドル(約1兆9,200億円、豪ドル、1豪ドル=約80円)を超えている。オーストラリアからインドへの輸出品目は、石炭、液化天然ガス(LNG)、アルミナ、非貨幣用金などの鉱物資源が中心で、インドからの輸入品目は、石油精製品、医薬品、ダイヤモンドや金などの宝飾品、衣服などとなっている。

(住裕美)

(オーストラリア、インド)

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