2月の自動車市場、生産・販売とも2桁の伸び、新エネ車販売は3倍弱に

(中国)

上海発

2022年03月16日

中国自動車工業協会(CAAM)は3月11日、中国の2022年2月の自動車市場動向を発表した。自動車販売台数は前年同月比18.7%増の173万7,000台、生産台数は20.6%増の181万3,000台といずれも大幅に増加した。販売、生産台数とも2カ月連続での増加となった。

販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比27.8%増の148万7,000台、商用車が16.6%減の25万台だった。新エネルギー車(乗用車、商用車を含む)は約2.8倍の33万4,000台で、自動車販売台数全体に占める割合は19.2%に達した。

輸出台数は前年同月比60.8%増の18万台。うち、新エネルギー車は3.7倍の4万8,000台と大幅に増加した。

1~2月の自動車市場について、CAAMは「生産・販売状況は全体として安定している。生産・販売とも前年同期比では増加を維持し、2019年同期比でも10%増となった」としたうえで、2月単月の状況について「乗用車は生産・販売ともに前年同月比で増加したが、商用車は生産・販売ともに前年同月比で減少となり依然として低迷。新エネルギー車は好調を維持し、前年同月比で大幅に伸びた。自動車全体の輸出は前月比では減少したが(2022年2月22日記事参照)、前年同月比では引き続き増加の勢いを維持している」と説明した。

CAAMはまた、2022年第1四半期(1~3月)の自動車市場について「一連の大幅な減税と手数料の引き下げ、および企業支援策の継続的な実施に加え、2021年第4四半期以降の大規模なインフラプロジェクトの着工が経済成長にプラスの影響を及ぼしている。同時に、自動車各社も新製品の発売ペースを加速させており、第1四半期の自動車市場は着実な成長が見込まれる。一方で、ロシアとウクライナの情勢により、業界を取り巻く外部環境はより複雑になっている。さらに、車載半導体の不足や原材料コストの上昇などは、依然として企業の生産と運営に影響を与える。安定した供給と価格の安定化への取り組みは困難なものとなる」と説明した。

新エネルギー車の市場見通しについて、乗用車市場信息聯席会(CPCA)が3月8日に発表した2月の全国乗用車市場分析では、「2022年は依然として新型コロナウイルスによる影響を受けており、消費者は自家用車での外出を選好する傾向にある。そのため、新エネルギー車の消費安定化に向けた政策は大きな効果を上げている。したがって、2022年も引き続き新エネルギー車市場を支援することは、自動車市場の発展にとっても大きな後押しとなる。2022年の新エネルギー車の販売台数は550万台に達する」との見通しを示している。

(高橋大輔)

(中国)

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