1月の自動車市場、販売台数は9カ月ぶり増加、新エネ車と輸出が好調維持
(中国)
上海発
2022年02月22日
中国自動車工業協会(CAAM)は2月18日、中国の1月の自動車市場動向を発表した。自動車販売台数は前年同月比0.9%増の253万1,000台、生産台数は同1.4%増の242万2,000台といずれも増加した。販売台数は2021年4月以来9カ月ぶりに前年同期比増加に転じた。
販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比6.7%増の218万6,000台、商用車が25.0%減の34万4,000台だった。新エネルギー車(乗用車、商用車を含む)は約2.4倍の43万1,000台で、自動車販売台数全体に占める割合は17%に達した。
輸出台数は87.7%増の23万1,000台。うち新エネルギー車は6.4倍の5万6,000台と大幅に増加した。
1月の自動車市場について、CAAMは「生産・販売状況は全体として安定している。生産・販売とも前月比で減少したが、前年同期比では小幅に増加した。車載半導体不足の状況から若干の改善、一部の地域での自動車消費促進政策の導入も奏功し、乗用車は全体を上回る伸びを示した。新エネルギー車と自動車全体の輸出の好調さは引き続き突出しており、前年同期比でも大きな伸びが続いている」と説明した。
CAAMはまた、第1四半期(1~3月)の自動車市場について「プラスとマイナスの両方の要素の影響を受ける」と指摘した。CAAMが指摘するプラスとマイナスの要素は以下のとおり。
プラスの要素:
- 地方政府が販売促進策を積極的に導入している
- 車載半導体不足の継続的緩和が見込まれる
- 市場の改善を見込み、一部の乗用車メーカーが2022年の年間生産目標を高く設定している
マイナスの要素:
- 前年(2021年)の第1四半期は車載半不導体不足の影響は大きくなく、生産・販売台数の基数が高かった
- 国内に新型コロナウイルス感染拡大によるサプライチェーンリスクがある
- 商用車の販売促進策の効果は既に出尽くしているほか、輸送需要の低迷により輸送運賃が低水準で推移しており、商用車の需要回復には一定期間の調整が必要になる
新エネルギー車の市場見通しについて、乗用車市場信息聯席会(CPCA)が2月14日に発表した1月の全国乗用車市場分析では、「新エネルギー車の販売は2022年も増加基調を維持する。新エネルギー車のわずかな価格上昇は市場全体の需要に大きな影響は与えない。2022年は多くの自動車メーカーが前年を超える生産販売台数目標を設定しており、新エネルギー車の販売台数は、前年比70%増の550万台前後に達する」との見通しを示している。
(高橋大輔)
(中国)
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