タミル・ナドゥ州市議会議員選、現与党・ドラビダ進歩連盟(DMK)が圧勝
(インド)
チェンナイ発
2022年03月07日
インド南部タミル・ナドゥ(TN)州で2月22日、市議会議員選挙(2月19日実施)の開票が行われた(投票速報は2022年3月2日記事参照)。今回の選挙では、州議会与党ドラビダ進歩連盟(DMK)が21の大規模都市の全てで過半数の議席を獲得して圧勝した(DMKは連邦議会では野党)。
このうち、州都チェンナイでは、DMKが全200議席中153議席を獲得し、単独で7割以上の議席を獲得したのに対し、野党の全インド・アンナ・ドラビダ進歩連盟(AIADMK)は15議席、国民会議派(INC)13議席、インド人民党(BJP)1議席にとどまった。この結果、3月4日にチェンナイではDMKのプリヤ・ラジャン氏が間接選挙によって市長に選出された。DMKは他の大規模都市でもほぼ全ての市長ポストを獲得した。
このほか、中規模の138都市の全3,843議席についても、DMKが2,360議席(AIADMKは638議席、BJPは56議席)、小規模489都市の全7,621議席でも、DMKが4,389議席(AIADMKは1,206議席、BJPは230議席)と、ともに過半数を獲得した。
DMKは多くの選挙区で得票数の2位以下の候補者に大差をつけて勝利しており、有権者のDMK支持の高まりが明確になった。州西部では、2021年の州議会選挙で当時与党だったAIADMKが勝利したが、今回の市議会議員選挙ではDMKが勝利した。加えて、AIADMK指導者の地元区でもDMKが勝利するなど、有権者のAIADMK離れを示すものとなった。
連邦議会与党のBJPはより多くの選挙区で候補者を擁立するため、AIADMK(TN州では野党)との選挙協力を行わずに単独で選挙戦を展開し、獲得議席の多くは党支持基盤である州南部カンヤクマリ県に集中している。
連邦議会与党BJPとTN州議会与党DMKは協力関係になく、これまでも政策面でしばしば対立が発生した。一方、企業誘致に積極的な姿勢は一致しており、経済活動への直接的な影響も現在のところ見られないが、今後の両党の関係は注視していく必要がある。
(浜崎翔太)
(インド)
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