タミル・ナドゥ州で11年ぶりの市議会議員の選挙を実施
(インド)
チェンナイ発
2022年03月02日
インド南部タミル・ナドゥ(TN)州では2月19日、市議会議員選挙の投票が行われ、2月22日に開票が行われた。通常5年ごとに実施される選挙だが、選挙に関する与野党の法廷闘争のために延期され、2011年以来11年ぶりの選挙となった。結果は、与党・ドラビダ進歩連盟(DMK)が多くの議席を獲得し、圧勝した。
チェンナイを含む21の大規模都市、138の中規模都市、489の小規模都市で、選挙が実施された。都市部ほど投票率が低く、チェンナイでは43.6%だった。2011年の国勢調査に基づき、一部の公職には、カーストや性別などによる候補者の制限が付与される。2022年1月22日をピークに新型コロナウィルスの新規感染者数が減少傾向となり、ロックダウンが1月28日から緩和されたことにより、各党が集会などの政治活動を積極的に行っていた。
チェンナイなどの大規模都市は、市議会議員を選出し、間接選挙により市長を選出する方式だ。前回2011年の選挙からチェンナイ市域が拡大されたため、チェンナイとして初の選挙が行われる区がある。200の区のうち約85%の区で、与党DMKと野党の全インド・アンナ・ドラビダ進歩連盟(AIADMK)が直接対決することとなった。
今回の選挙で、与党DMKは2021年の州議会選挙と同様に、国民会議派(INC)などと選挙協力を行った。一方、野党AIADMKは州議会選挙と異なり、選挙協力についての協議が成立せず、中央政府与党のインド人民党(BJP)との選挙協力を行わなかった。
与党DMKのM.K.スターリン州首相は「前政権(現野党のAIADMK)は財政の不始末を残していった。DMKは掲げた公約を実現していく。今回の選挙では圧勝する自信がある」と述べ、かなり強気な発言が目立った。一方、野党AIADMKは、実施していない選挙公約があるとして、与党DMKの批判を度々行っていた。
投票所に向かうチェンナイ市民(ジェトロ撮影)
与党DMKと選挙協力を行う野党の選挙ポスター(左)、野党AIADMKの選挙ポスター(右)(ジェトロ撮影)
(浜崎翔太)
(インド)
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