2021年中国都市別GRPランキングを発表

(中国)

上海発

2022年03月29日

中国の経済情報メディアである第一財経は3月17日、各省市の統計局が発表したデータを基に、「2021年中国都市別GRP100強ランキング」を発表した(以下、ランキング)(添付資料表参照)。2021年の上位100都市のGRP(域内総生産)総額は79兆8,000億元(約1,436兆円、1元=約18円)で、中国全体のGDPの約7割を占める。

上位100都市にランクインした都市の数は江蘇省が最も多く13都市、次いで山東省が11都市、広東省が10都市の順になっている。華東地域および安徽省からは、上海市、江蘇省の13都市、浙江省の8都市、安徽省の3都市の計25都市がランクインし、上位100都市の4分の1を占めた。

ランキングトップの上海市の2021年GRP成長率は、前年比8.1%の4兆3,200億元だった(2022年1月28日記事参照)。製造業を中心とする第二次産業の成長率が9.4%となり、上海市全体の経済成長に寄与した。GRPに占める割合が73.3%と最も高い第三次産業の成長率も7.6%と、前年の1.8%から回復している。

2022年のGRP成長率目標について、中国全体としては5.5%前後としている(2022年3月8日記事参照)。上海市の目標は5.5%と全国と同レベル、華東地域の各省では、江蘇省が5.5%以上、浙江省が6%前後、安徽省が7%と、中国全体の目標を上回る成長率目標を掲げている(2022年2月10日記事参照)。

各都市の発展には、独自の産業戦略が重要

中国社会科学院の都市発展・環境研究センターの牛鳳瑞研究員は「一般の地級市(注)都市の産業発展を考える上では、(北京や上海のような)中心都市および他の都市との分業を実現することが重要だ。製造業と独自の優位性を持つ産業を重点的に育て、主要産業とリーディングカンパニーを打ち立てていく必要がある」と述べた。

福建省寧徳市は2020年の103位から今回97位へと順位が上がったが、これは中国車載電池の最大手である寧徳時代新能源科技(CATL)を有していることが背景にある。内モンゴル自治区オルドス市は主要産業に石炭産業を有しており、エネルギー価格の上昇によりGRPも増加、2020年の68位から今回57位と浮上した。

(注)省と県の中間にある行政単位。

(侯恩東)

(中国)

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