ルーブル急落や物流混乱の影響色濃く、ジェトロがウェビナー

(ウクライナ、ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年03月16日

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は日本を含む世界各国の企業のビジネスに多大な影響を及ぼしている。ジェトロはウェビナーを開催し、ウクライナ情勢を受けたビジネスの動きや日本政府の対応を解説した(3月15日)。

ジェトロ海外調査部の下社学主幹は、ウクライナ情勢による在外日系企業への影響や、ジェトロに寄せられた問い合わせの傾向を解説した。在ロシア日系企業を対象にジェトロが行ったヒアリングによると、ルーブル為替レートの急激な落ち込みや物流への悪影響を指摘する声があり、「顧客企業が当社に支払う際、外貨建て支払いの負担が増加するため、債権回収に不安が残る」「船会社や航空会社の貨物新規受け付け停止による影響が出始めている」といったコメントが寄せられた。また、在ウクライナ日系企業を対象にジェトロが行ったアンケート調査(2022年3月4日記事参照)によると、回答企業の全てがロシアによるウクライナへの軍事侵攻のビジネスへの影響について「すでに悪影響がある/悪影響が予想される」と回答した。具体的な影響として「国内での販売停滞、減少」や「物流の混乱/停滞」などが挙がった。

ウクライナ情勢の変化を受けてジェトロに寄せられた問い合わせ内容は、a.ロシアの一部銀行に対する国外送金の国際銀行間通信協会(SWIFT)システムからの排除によるロシア企業との取引の影響、b.日本が科す対ロ経済制裁や安全保障貿易管理、c.ロシアとの航空・海上物流に関する最新状況、d.ロシアからの輸入時の日本における通関などに関するものが中心だった。

経済産業省貿易経済協力局貿易管理部貿易審査課の本城浩課長はウクライナ情勢を受けた外国為替および外国貿易法に基づく輸出貿易管理令などの改正(注)を説明した。次に挙げる5つの輸出禁止措置が導入された。2022年3月18日午前0時から施行される。

a.工作機械や高性能半導体といった国際輸出管理レジーム対象品目のロシアとベラルーシ向け輸出および役務取引の禁止

b.ロシアとベラルーシの特定団体への輸出および役務取引の禁止

c.ロシアとベラルーシの軍事能力などの強化に資すると考えられる汎用(はんよう)品の輸出および役務取引の禁止

d.ロシア向け石油精製用の装置などの輸出および役務取引の禁止

e.「ドネツク人民共和国」と「ルハンスク人民共和国」への全ての貨物の輸出禁止

なお、輸出および役務取引について承認または許可を受けていても、当該輸出や取引の開始が行われていない場合、18日以降は今回の措置に基づく承認または許可を受ける義務が生じるため、注意が必要だ。

(注)詳細は経済産業省ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに記載されている。

(宮下恵輔)

(ウクライナ、ロシア)

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