アルゼンチン政府、大豆油・大豆ミールの輸出税率を再び33%に引き上げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年03月28日

アルゼンチン政府は3月19日付で政令131/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、大豆油および大豆ミールに課されている輸出税率に関する措置を2022年12月31日まで停止した。同政令は即日施行された。これにより、大豆油および大豆ミールに課される輸出税率は、これまでの31%から再び33%へ引き上げられる。

大豆油および大豆ミールの輸出税率は、2020年の3月5日付政令230/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき33%とされていたが、同年10月4日付政令790/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより31%に引き下げられた。今回の政令は、政令790/2020号の措置を2022年12月31日まで停止したため、両品目の輸出税率は33%に戻ることになった。

政府は、今回の税率引き上げの理由に、ロシアによるウクライナへの侵攻が世界の農産物供給、特に小麦、トウモロコシ、ヒマワリ油の国際価格に大きな影響を及ぼしていることを挙げた。また、輸出税率の引き上げで生じる余剰金を活用し、国内市場における穀物価格の高騰を抑制するのが狙いだ。そのため、3月19日付政令132/2022号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、小麦の価格安定を図るための信託基金を創設し、この基金を通じて、国内において製粉業者が購入する小麦の価格を安定させる。これにより、パン屋などに販売される小麦粉の価格が国によって補助されることになる。

アルゼンチンの消費者物価指数(CPI)は、単月、年率をみても高い上昇率が続いており(2022年3月17日記事参照)、2022年2月に物価の大幅な上昇がみられ、3月もさらに上層するとみられる。今回の輸出税率の引き上げは、アルベルト・フェルナンデス大統領が「インフレとの戦争を開始する」と発言したことを受け、そのインフレ対策の一環とされている。

政府は3月13日、大豆油と大豆ミールの輸出を行うために、輸出者があらかじめ登録する必要がある外国販売宣誓申告書(DJVE)の受け付けを一時停止していたが、輸出税率の引き上げとともに再開した。

3月22日付現地紙「iプロフェッショナル」によると、アルゼンチン植物油産業会議所・穀物輸出センター(CIARA-CEC)は「政府に一方的に輸出税を引き上げる権限はない」と、政府の今回の決定を強く批判している。大豆生産が集中する地域では抗議デモが発生しており、今後も政府と農業団体の対立が再び悪化しそうだ。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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