1~2月の経済指標は予想上回る回復ぶり

(中国)

北京発

2022年03月23日

中国国家統計局は3月15日、2022年1~2月の主要経済指標を発表した(添付資料表参照)。同局国民経済総合統計司の付凌暉司長は同日の記者会見で「1~2月の国民経済の回復状況は予想を上回った」として、経済が持続的に安定して回復しているとの認識を示した。

工業生産増加額(付加価値ベース)は前年同期比7.5%増と、2021年12月の前年同月比伸び率と比較して3.2ポイント拡大した。製品別の生産量をみると、新エネルギー自動車が前年同期比約2.5倍、産業用ロボットが29.6%増、太陽電池が26.4%増となった。

投資(全国固定資産投資、農業を含まない)は12.2%増で、業種別では製造業が20.9%増と高い伸びを示した。不動産開発投資は3.7%増と全体を大きく下回った。2月の不動産開発景気指数(注1)は96.93と1月に続き100を下回っている。

消費(社会消費品小売総額)は名目で6.7%増と、2021年12月の前年同月比伸び率と比較して5.0ポイント拡大した。石油・同製品が25.6%増となったほか、自動車が3.9%増で、2021年12月の7.4%減から増加に転じた。なお、実質では4.9%増にとどまった。

サービス業生産指数(注2)は4.2%増と、2021年12月の前年同月比伸び率と比較して1.2ポイント拡大にとどまった。貿易額(元ベース)は輸出が13.6%増、輸入が12.9%増だった。生産者物価指数(PPI)は前年同月比8.9%上昇した一方、消費者物価指数(CPI)は0.9%上昇にとどまった。

付司長はウクライナ情勢が中国経済に与える影響について「中国の貿易額のうち、ロシアとウクライナの占める割合は小さく、直接的な影響は限定的だ」と述べた。間接的な影響として「地政学的な変化により、世界のコモディティー価格への影響は明らかなため、国内の輸入インフレ圧力が高まる可能性がある」とした。

国家発展改革委員会の連維良副主任は3月7日の記者会見で、ウクライナ情勢で不確実性は高まっているものの、中国の長期的な経済発展の方向性は変わらないと強調している(2022年3月8日記事参照)。

(注1)2012年を基準年として算出し最も適切な水準を100とし、高い(105超)、適切(95~105)、低い(95未満)に分かれる。

(注2)物価変動の影響を除いた、サービス業の基数月に対する産出の変化を表す。サービス業企業の経済活動について月ごとの傾向の変化を反映したもの。

(河野円洋)

(中国)

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