英国、ニュージーランドとのFTAに署名

(英国、ニュージーランド)

ロンドン発

2022年03月02日

英国のアン・マリー・トレビリアン国際通商相は2月28日、ロンドンでニュージーランドのダミエン・オコーナー貿易・輸出成長担当相と会談、両国間の自由貿易協定(FTA)に署名した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます協定文などは英国政府サイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同FTAについては、2021年10月に両国が原則合意していた(2021年10月22日記事参照)。

関税については、英国側は96.7%の品目で関税を即時撤廃、ニュージーランド側は全ての品目で関税を即時撤廃する。将来的には英国側も残りの品目の多くにつき関税を段階的に撤廃する。

英国政府は同協定のメリットとして、デジタル文書やデジタル通関など通関手続きの近代化を通じ、小企業が輸出しやすくなることを挙げた。また、柔軟な原産地規則などもメリットとして指摘した。また、同協定が志を同じくする(like-minded)パートナーとの貿易関係深化を図る英国の戦略の一環をなすとし、英国企業にとってより予測可能で、自由で公正な枠組みの基礎となると強い期待を示した。

トレビリアン国際通商相は同協定について、2021年10月のG7貿易相会合で発表された「デジタル貿易原則」(2021年10月26日記事参照)に基づくデジタル時代に即した最新の貿易ルールを有する先進的な協定の1つとした。

英国小規模企業連盟(FSB)のマイク・チェリー議長も「ニュージーランドは英国の小企業にとって重要な市場だ。既に小規模輸出企業の3分の1が同国との関係を有している」としたほか、中小企業の章が規定されていることを歓迎。また、同議長は原産地手続きの自己申告の簡素化など、重要な追加措置が協定に盛り込まれたことも歓迎した。具体的には、ニュージーランド輸出時には2,000ニュージーランド・ドル(約15万6,000円、NZドル、1NZドル=約78円)以下、英国輸出時には1,000ポンド(約15万3,000円、1ポンド=約153円)以下のモノを輸出する際に、原則として原産地申告の提示義務を免除する。

(山田恭之)

(英国、ニュージーランド)

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