2021年のドイツの乗用車輸出額、新型コロナ禍前の水準に戻らず

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年03月02日

ドイツ連邦統計局は2月24日、2021年のドイツの乗用車輸出入に関する統計(速報値)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

2021年のドイツの乗用車(注1)輸出は前年比9.9%増の1,176億ユーロだったが、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年(1,281億ユーロ)と比べると8.2%減となり、「新型コロナ禍」以前の水準には戻っていない。主要な輸出先は、中国が前年比14.0%増の167億ユーロ、米国が18.1%増の159億ユーロ、英国が17.0%減の94億ユーロだった。

一方、2021年のドイツの乗用車輸入は、前年比2.4%減の564億ユーロだった。2019年(645億ユーロ)と比べると12.6%減となり、輸出と同様に「新型コロナ禍」以前の水準に戻っていない。主要な輸入元は、スペインが前年比14.6%減の65億ユーロ、米国が3.8%増の63億ユーロ、スロバキアが9.9%増の52億ユーロだった。

2021年のバッテリー式電気自動車(BEV)(注2)の輸出は、前年比78.1%増の126億ユーロだった。台数は約30万台。主要な輸出先は、米国(2.1倍、20億ユーロ)、英国(96.7%増、20億ユーロ)、ノルウェー(30.6%増、15億ユーロ)だった。なお、欧州自動車工業会(ACEA)の2022年2月2日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、欧州(注3)の2021年のBEV新車登録台数は、最大のドイツ(35万6,425台)に続き、英国(19万727台)、フランス(16万2,167台)、ノルウェー(11万3,751台)の順になっている。

また、BEVの輸入は前年比82.8%増の75億ユーロで、台数ベースでは29万2,000台。主要な輸入元は、米国(2.1倍、12億ユーロ)、フランス(6.1%増、9億2,700万ユーロ)、チェコ(70.5%増、8億600万ユーロ)だった。ドイツ連邦自動車局(KBA)によると、2021年のドイツのBEV新車登録台数は83.3%増の35万5,961台となっており(2022年1月13日記事参照)、統計局は、低排出ガス車購入時の補助金(2020年7月15日記事参照)によりBEVの需要が増えたことが、輸入増の一因としている。

(注1)貿易統計品目コード(WA)8703を集計。

(注2)WA8703 80 10を集計。

(注3)マルタを除くEU加盟26カ国および英国、アイスランド、ノルウェー、スイスを指す。

(高塚一)

(ドイツ)

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