2021年第4四半期のGDP成長率は前期比3.0%

(ニュージーランド)

シドニー発

2022年03月23日

ニュージーランド統計局は3月17日、2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前期比3.0%だったと発表した。新型コロナウイルスのデルタ型変異株の感染拡大の影響を受けて大きく落ち込んだ前期のマイナス3.6%(改定値)から回復した。前年同期比では3.1%だった。

産業別にみると、鉱業(前期比9.5%増)、建設業(8.7%増)、科学技術、管理・支援(7.8%増)、小売り・宿泊業(6.7%増)、製造業(6.5%増)が大きく伸びたほか、卸売業(4.8%増)、保健衛生・社会支援(3.1%増)なども増加した(添付資料表参照)。一方、農林水産業(3.6%減)、教育・訓練(2.4%減)、輸送・倉庫業(1.2%減)が前期に続いて落ち込んだほか、金融・保険(0.3%減)も減少した。

ニュージーランドでは、2021年8月中旬に新型コロナのデルタ型変異株による市中感染が拡大し、最大都市オークランドでは1カ月以上、ロックダウンが課されていた。その後、制限措置が段階的に緩和されたことから、同国経済の約3分の2を占めるサービス産業が2.5%増加し、回復を牽引した。

グラント・ロバートソン財務相は「ニュージーランド経済は良好な状態で2021年末を迎えた」と述べ、今回の結果を歓迎した。また「世界的なエネルギー危機やサプライチェーンの混乱、オミクロン型変異株の感染拡大などの課題は、2022年第1四半期(1~3月)の経済成長に影響を及ぼすと予測されるが、国境が再開し、外国人労働者や観光客が戻るにつれて、回復は加速する」と期待感を示した。同国では、4月13日からオーストラリア国民や永住者に対して、5月2日からは日本、英国、米国などのビザ免除国からの渡航者などに対して、隔離なしでの入国を再開する計画となっている(2022年3月17日記事参照)。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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