チン首相、児童への新型コロナワクチン接種に向け米ファイザーに要請

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年03月07日

ベトナムのファム・ミン・チン首相は2月15日、米国製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ会長兼CEO(最高経営責任者)と電話会談を行い、5歳以上12歳未満の児童の新型コロナウイルスワクチン接種(2022年2月14日記事参照)のため、ワクチン供給を急ぐよう要請した。16日付の政府公報、保健省機関紙「健康と生活」などが伝えた。

チン首相は前回の電話会談(2021年8月20日)を踏まえ、ファイザーが5,100万回分のワクチンを迅速に供給したことに謝意を表明した。また、同社がワクチンと治療薬の研究・開発に成功し、新型コロナウイルス対策に貢献していると賞賛した。

ベトナムでは、12~17歳の子供向けにファイザーのワクチンを輸入し、1回目の接種率は約96%、2回目は約90%に達した。これにより、児童・生徒の対面授業のための登校が再開している(2022年2月16日記事参照)。

チン首相はブーラ会長兼CEOに対し、現在の複雑な感染状況の下、引き続いて安全かつ効果的な登校を実現するため、4月中、遅くとも5月までに、5歳以上12歳未満の児童向けに2,200万回分のワクチンの供給を完了するよう要請した。

また、チン首相は新型コロナワクチンの開発状況について定期的に最新情報の提供を求めるとともに、新たな変異株に対応した治療薬について技術移転を要請し、ベトナム政府がファイザー社に最良の条件を提供する用意があると述べた。

これに対し、ブーラ会長兼CEOは、5歳以上12歳未満の児童のワクチン接種に向け、数週間以内に供給できるよう最善を尽くすと回答。また、ファイザーは新型コロナウイルス治療薬の生産技術の移転に協力する用意があるとした。

チン首相は、ブーラ会長兼CEOを首相の賓客としてベトナムに招待し、ファイザー社とベトナムの長期協力について議論を深めたいと述べた。

(比良井慎司)

(ベトナム)

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