政策金利が44.5%に、3カ月連続で利上げ

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年03月28日

アルゼンチン中央銀行は3月22日、政策金利〔28日物中央銀行債(Leliq)の利率〕をこれまでの42.5%から44.5%に引き上げた。1月6日、2月17日に続いての引き上げとなった(2022年1月18日記事2022年2月24日記事参照)。

中銀は3月22日付の声明で、パンデミックによって生じた例外的な政策の時期を脱し始めており、これまでに2回の利上げを実施したが、実質金利をプラスにするべく今回の調整を行ったと述べている。利上げは、インフレ抑制を目的としたIMFとの約束によるものだが、中銀は、ウクライナ情勢などを背景とした供給ショックによる国際コモディティ価格の上昇が今後、インフレをさらに押し上げる可能性を懸念している。2022年のインフレ率の見通しについて、3月25日発表のIMFによる見通しは38.0~48.0%、3月4日発表の民間エコノミスト予測の中銀による集計値(REM)は55.0%となっている。

写真 アルゼンチン中央銀行(ジェトロ撮影)

アルゼンチン中央銀行(ジェトロ撮影)

3月23日付け現地紙「エル・クロニスタ」(電子版)は、さまざまな民間エコノミストらの見方を伝えている。その中では、今後も利上げが続くとの見方が多い。利上げは生産活動の鈍化につながるが、インフレ率は2月に前月比4.7%と急上昇しており、中銀は、3月、4月のインフレ率をみながら、さらなる利上げを検討するとみられている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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