アルゼンチン、政策金利を2カ月連続で引き上げ、42.5%に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年02月24日

アルゼンチン中央銀行は2月17日、政策金利〔28日物中央銀行債(Leliq)の利率〕をこれまでの40%から42.5%に引き上げた。1月6日に続いての引き上げとなった(2022年1月18日記事参照)。

中銀は、2021年12月30日に発表した「2022年の通貨・為替・金融政策の目標と計画」において、国債買い入れなどパンデミック下での例外的な金融政策を実施する時期から脱し始めており、「インフレを抑制するために実質金利をプラスにすることを目指す」ことを明らかにしていた。しかし、今回の引き上げでも実質金利プラスには程遠い。中銀が集計する民間エコノミストらの経済見通し(REM)によると、2022年のインフレ見通しは55.0%となっており、政策金利との乖離は大きい。

2月17日付の現地紙「クラリン」(電子版)は、「政策金利の引き上げはインフレ退治というよりもドルへの需要を抑制するために行うもの」との政府関係者の声を伝えている。しかし、現地通貨ペソへの需要を喚起するにも今回の引き上げでは不十分で、さらなる政策金利の引き上げを予測するエコノミストの声も聞かれる(現地複数紙)。外貨不足を背景に、資本取引規制が繰り返し強化されている状況下で、ペソへの需要を喚起するのは容易ではない。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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