運輸通信省、カボタージュ輸送のさらなる活用推奨

(ペルー)

リマ発

2022年03月28日

ペルー運輸通信省(MTC)は3月22日、2018年以降(2019年9月20日記事参照、注)推進しているペルー沿岸の港間輸送のカボタージュ(内航)制度を活用した国内輸送の成果について、プレスリリースで報告した。同報告によると、2022年は既に首都リマのカジャオ港から南部モケグア州のイロ港に5回、南部イカ州のサン・フアン・デ・マルコナ港からイロ港に3回、カジャオ港から北部ピウラ州のパイタ港に1回の計9回のカボタージュ輸送が実施され、バルク輸送で約1万8,734トンのほか、コンテナ36台で855トンが輸送されたという。2021年は前年比53.6%増の計30回のカボタージュ輸送が行われ、主にカジャオ港からパイタ港(計10回)とイロ港(計9回)に集中している。

ペルーのカボタージュ輸送は、特にコスト削減と環境に優しいという観点から、MTCが2018年以降、外国籍の船舶にも参入権を与えて推奨している。既に9社51隻が内航許可を得ているが、さらなる持続性を担保するため、船会社や荷受け企業へのカボタージュ制度利用の呼びかけを行っている。現在の輸送品は主に食料品、消費財、鉱山プロジェクト関連製品、硫酸、大豆油、漁業用飼料、ビールなどで、特にイロ港とカジャオ港間では隣国ボリビアからの主要輸出品である大豆油の輸送が盛んだという。MTCでは、経済財政省(MEF)所管の政府調達品の流通(特に沿海地域)をカボタージュ輸送に切り替えるほか、月に400台のコンテナ輸送実績があるボリビアの企業関係者らの需要を取り込む活動も行っている。

MTCのアルバロ・ロドリゲス海運物流政策規定局コーディネーターによると、同省が2019年に実施した実地調査の結果、カボタージュ輸送は港湾倉庫などを活用することで、陸路輸送と比較して30%のコスト削減が可能なため、陸路輸送の代替手段として利点を強調している。

(注)2018年9月13日公布のカボタージュ制度の緩和法令(立法令第1413号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)以降、同令の細則を規定した大統領令第029-2019-MTC号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが2019年8月6日に公布されている。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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