カーボンニュートラル基本法施行令が国務会議で承認、国民参加型事業も実施

(韓国)

ソウル発

2022年03月25日

韓国環境部は3月22日、「カーボンニュートラル基本法」(2021年9月6日記事参照)の施行令案が国務会議を通過したと発表した。同施行令は3月25日から施行された。主な内容は以下のとおり。

1.2050年カーボンニュートラルのビジョンと履行体制

(1)2050年カーボンニュートラルのビジョンを明示し、2030年ごろまでの温室効果ガス削減目標(NDC:Nationally Determined Contribution)を2018年比で40%削減と明示する(注1)。

(2)施行後1年以内に、20年を計画期間とする「国家カーボンニュートラル基本計画」を策定し、その後5年周期で策定する。

(3)国のビジョン、中長期の削減目標などカーボンニュートラルの基本的な方向性と主な計画、政策に対する審議・議決を行い、推進の状況や成果を点検する役割を担う「2050カーボンニュートラル・グリーン成長委員会」を設置する。

2.温室効果ガス(GHG)削減

(1)「温室効果ガス削減認知予算制度」を企画財政部と環境部を主管として2023会計年度から実施する。

(2)「気候変動影響評価」を2022年9月から段階的に実施する(注2)。

3.気候危機への適応と公正な移行、グリーン成長

(1)大気中のGHG濃度の変化を常時測定、調査、開示し、気候変動モニター・予測のための気象情報管理体制を構築する。

(2)カーボンニュートラルを目指す過程で被害を受ける地域や階層を保護・支援し、公正な移行のための施策として、産業通商資源部、雇用労働部などとの協業を通じ、雇用の安定、失業支援、事業転換支援など総合的な対策を設ける。

4.カーボンニュートラル政策関連の財政と実施基盤

(1)カーボンニュートラル政策の安定的な推進と産業構造の再編に必要な「気候変動対応基金」を設置する(注3)。2022年は2兆4,000億ウォン(約2,400億円、1ウォン=約0.1円)の予算を投じ、GHG削減、低炭素産業のサプライチェーンの構築、公正な移行、制度・基盤構築などの事業に重点的に支援を行う。

(2)日常生活で電子レシートの発行やリターナブル容器の利用などによりポイントが付与される「カーボンニュートラル実践ポイント」制度を実施する(注4)。

(注1)「カーボンニュートラル基本法」では2018年比で35%以上を削減すると規定。

(注2)2022年9月からエネルギー、水資源、都市開発、工業団地、港湾建設などを対象に実施する予定。

(注3)2022年1月から運営中。

(注4)「カーボンニュートラル実践ポイント」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのウェブサイトから会員登録を行い、ポイント付与により1年間で最大7万ウォンに相当する恩典が付与される。

(当間正明)

(韓国)

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