政府が備蓄石油442万バレルの放出決定

(韓国)

ソウル発

2022年03月08日

韓国産業通商資源部は3月6日、国際エネルギー機関(IEA)との協議を経て、備蓄石油442万バレルを放出すると発表した(2021年12月28日関連記事、注)。

IEAの分析によると、ロシアのウクライナ侵攻によって、(1)黒海沿岸の船舶運航の問題、(2)ロシアのSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除措置、(3)OPEC加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」の追加増産見送りなどを背景に、原油市場の供給に支障が生じる可能性がある。そのため、IEAは加盟国の協力を通じ、30日間で1日平均約200万バレルを追加的に供給する必要があると判断した。

韓国政府では、今回の放出後でも政府備蓄石油は90日を上回る水準を確保でき、さらなる需給逼迫にも対応可能としている。

(注)3月1日のIEA閣僚級会合で、ロシアによるウクライナ侵攻開始以降、原油価格の急騰のみならず、供給に支障が生じる可能性が高まったという認識を共有し、約6,000万バレル規模の備蓄石油の放出に合意した。

(当間正明)

(韓国)

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