ホーチミン市で感染増加、主にオミクロン株

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年03月01日

ベトナムのホーチミン市保健局疾病管理センター(HCDC)は、市内の新型コロナウイルス感染の流行に関し、オミクロン株が主流との分析結果を公表した。2月23日付の政府公報および保健省機関紙「健康と生活」が伝えた。

ホーチミン市では、市内のオミクロン株の流行状況を把握するため、感染者の検体を無作為抽出(ランダムサンプリング)して調査を実施。2月10日から17日にかけて、同市内のオックスフォード大学医療研究部(OUCRU)および熱帯病院に92人の感染者の検体を送付した結果、70件(76%)がPCR検査でオミクロン株による陽性と判定された。これら70件のうち26件を無作為抽出し、遺伝子解析を実施した結果、100%がオミクロン株だった。

HCDCによれば、最近の感染者の増加とも整合するという。ホーチミン市では、2月22日に新規市中感染者が1,356人を記録し、1週間前の2月15日(341人)の4倍近くに増加した。また、同市のタン・チ・テュオン保健局長によれば、テト(旧正月)明け以降、同市では子供の感染者数が増加している。2月7日から13日にかけては、117校で約500人が感染した。同市では、2月14日から小学校・幼稚園で対面授業が再開した(2022年2月16日記事参照)が、2月14日から22日にかけて201校で、教師706人、生徒6,799人と感染が急増した。

なお、ベトナム政府は、オミクロン株の感染者数を累計で公表しているが、2月23日現在、国内全体で205人(うちホーチミン市は97人)と、新型コロナウイルス感染者に占める割合は小さい。ホーチミン市では、病原性変異株の特定を目的としたPCR検査・遺伝子解析を行い、感染がオミクロン株によると特定された際に、オミクロン株の感染者として発表している(「VNエクスプレス」1月18日)。

(比良井慎司)

(ベトナム)

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