ボリッチ新大統領就任直後の支持率は50%、1、2代前の大統領就任時と大差なく

(チリ)

米州課

2022年03月25日

チリの調査会社カデム(Cadem)は3月20日、大統領支持率に関する世論調査結果(注)を発表した。それによると、ガブリエル・ボリッチ大統領について、50%が支持、20%が不支持と回答した(「どちらでもない」および「わからない」という回答が30%を占めた)。左派政党出身のボリッチ大統領が3月11日に誕生してから、初めての同社の世論調査結果発表となったが、大統領就任直後の支持率としては、2代前のミチェル・バチェレ元大統領(52%)、セバスティアン・ピニェラ前大統領(51%)と大きな差はなかった。

回答者の属性をみると、18~34歳の若年層の支持率が67%に上り高くなっている一方で、55歳以上の支持率は35%にとどまる。また、女性の支持率が52%を占め、男性からの支持率(47%)を上回っている。

なお、同調査では、「チリは政治的、経済的、社会的に良い方向に向かっているか」という質問もあり、「良い方向に向かっている」と回答した割合は50%にとどまった。前政権および前々政権とも政権発足直後の同質問で「良い方向に向かっている」と回答した割合は7割を超えていた。不透明な国際情勢、格差社会の是正、「新型コロナ禍」からの本格的な回復など、これまでの政権にはなかった多くの課題を抱えながら発足したボリッチ政権だが、今後その手腕が試される。

(注)調査は3月16~18日に実施された。

(佐藤輝美)

(チリ)

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