メコン各国で感染増も入国制限緩和の動き、ベトナムで日本からの渡航の査証免除措置再開

(ASEAN、タイ、ベトナム、ラオス)

アジア大洋州課

2022年03月18日

ジェトロは、アジア太平洋地域における新型コロナウイルスに関する直近の主要な動きをまとめた。メコン諸国では、オミクロン株の影響とみられる感染拡大が足元で続く中、ベトナムとタイなどにおいて海外からの入国制限の緩和や、レストランなどの操業規制の緩和に関する動きがみられる(3月16日時点)。特にベトナムでは、日本を含む国々を対象とした査証(ビザ)免除措置の再開、出国前に受けた新型コロナ検査が陰性であれば、入国後の検査と隔離措置が不要となるなど、大きな動きがみられた。

各国の主要動向は以下のとおり。

〇ベトナム

3月16日の保健省の発表によると、1日当たりの新規感染者は18万552人(入国者、計上漏れの追加を除く)で過去最多となった(3月16日付保健省機関紙「健康と生活」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

足元での感染拡大は続いているが、政府は入国規制の緩和にかじを切っている。ベトナム政府は3月15日、日本など13カ国を対象として、査証(ビザ)免除措置を再開することを決定。ベトナム滞在期間が15日以内であれば、ビザ取得は免除される(3月15日付政府ニュース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、保健省は3月16日、ベトナムへの入国者に対する新たなガイダンスを発表し、出国前に受けた新型コロナ検査の結果が陰性であれば、入国後の検査と隔離措置が不要となった。PCR検査の場合は出国前72時間以内、迅速抗原検査の場合は出国前24時間以内の検査結果が必要となる(3月16日付保健省外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ハノイ市は3月15日、2021年11月から続いていた飲食店の営業時間制限(午後9時までに閉店)を解除(3月15日付VNエクスプレス)。

〇タイ〔直近7日間の平均新規感染者数(注)2万2,728人/日(増加傾向)〕

保健省は、「テスト・アンド・ゴー制度(ワクチン接種済み外国人の隔離なし入国)」の規則緩和を検討中。渡航前72時間以内のRT-PCR検査を要求せず、入国時のRT-PCR検査と、入国5日目のATK検査のみとする予定。また医療保険の必要補償額も、現在の5万ドルから1万ドルにする予定。同省は、新型コロナウイルス感染症を「エンデミック(一定の季節や地域に流行する感染症)」と見なす計画も検討中(3月16日付クルンテープトウラキット)。

また、バンコク都は3月14日付で、セミナーなど会合開催に伴うアルコールの提供可能時間について、午後11時まで(現在は午後9時まで)とする緩和策を公表。対象となる会場は、コンベンションセンター、ショッピングセンターなど(バンコク都閉鎖指令第51号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

〇ラオス〔256人/日(増加傾向)〕

ラオス政府の新型コロナウイルス特別委員会は、首都ビエンチャンにおいて、無作為に選んだ検体10個のうち、9個がオミクロン株だったと、説明。他国の感染状況から、ラオスでも今後1~2カ月で、感染者数のピークが訪れる可能性を指摘した(「ビエンチャンタイムス」3月15日)。

他方、ラオス政府は3月1日の首相府令で、「新型コロナ禍」の出入国規制を緩和。その後、3日付で同首相府令に従い、入国手続き詳細を規定したガイドラインを公表した。ビジネス関係者を対象に、新たに導入されたオンライン申請プラットフォームを通じての入国申請の受け付けを開始(2022年3月1日記事参照2022年3月14日記事参照)。

(注)世界保健機関(WHO)のデータから計算。タイは3月8~14日、ラオスは3月6~12日

(三木貴博)

(ASEAN、タイ、ベトナム、ラオス)

ビジネス短信 05efa099b6d1e161