東莞市、防疫措置強化の影響受ける企業向けに支援策を発表

(中国)

広州発

2022年03月24日

中国の広東省・東莞市政府は3月16日、「新型コロナウイルス防疫のさらなる強化、影響を受けている市場主体の発展を支援する若干措置外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、「措置」)を発表した。防疫措置(注1)によって影響を被っている市内企業に対して、支援策を実施する。期間は2022年3月16日から6月16日まで。

措置では、移動制限などの感染拡大防止策がとられている「高・中リスク地域」、および「封鎖式管理地域」(中国語で「封閉管理」、厳格な自宅隔離措置が実施され、出入り不可地域)、「抑制管理地域」(中国語で「封控管理」、入ることはできるが出ることができない地域、密集厳禁)が存在する鎮・街道(注2)・産業パークを「影響地域」と規定。各鎮や関係政府機関に対し、「影響地域」内の企業などに各種支援を提供するよう指示している。主な内容は以下のとおり。

  1. 「影響地域」内の企業の各種社会保険料の納付を猶予。期限までに納められなかった場合、「影響地域」指定が解除された月の翌月から起算して3カ月以内に納付すれば、滞納金は徴収しない。
  2. 金融機関による「影響地域」内企業向け融資を奨励。関係政府機関は「影響地域」内の中小・零細企業向け融資を支援するため、補助金を有効活用する。感染まん延期間中に融資審査が通ったハイテク企業を対象に、実際に支払う利子の50%を上限に、最高で100万元(約1,900万円、1元=約19円)の利子補給を行う。
  3. 新型コロナウイルスの影響で国際貿易契約の期限内履行が不可能となった、市内全ての企業に対し、オンライン認証プラットフォームを通じた「不可抗力事実性証明書」の発行申請をサポートする。輸出取引信用保険の支援を強化し、違約金発生時に優先的に保険金を支払うことを通じ、輸出企業の信用確保につなげる。
  4. 影響地域内企業を対象に、水道料金を30%減額する。宿泊業・飲食サービス企業を対象に、ごみ処理手数料を半減する。感染の影響で水道料金・電気代・ガス料金が納付できなかった場合、供給停止を見合わせる。政府関係機関への申請により、「影響地域」指定解除後3カ月以内は追納を認め、滞納金を免除する。

(注1)東莞市は3月14日に、防疫措置の強化を発表(2022年3月16日記事参照)。18日から措置は緩和されたが(2022年3月23日記事参照)、感染者が発生している「重点地域」では引き続き企業の操業が制限されるなど(2022年3月23日時点)、企業活動に影響が生じている。

(注2)鎮と街道はいずれも中国行政区画の末端組織で、日本の町に相当。鎮は農村部と都市部が混在する地域の行政区に対して、街道は都市部で住民を管轄する行政区。

(曹歓)

(中国)

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