中国、5万元以上の現金預け入れ・引き出しの登録制施行を延期

(中国)

北京発

2022年02月24日

中国人民銀行(中央銀行)、中国銀行保険監督管理委員会、中国証券監督管理委員会は2月21日、「金融機関の顧客管理と身分証明資料および取引記録保存管理弁法」(以下、弁法)の施行延期を発表した。弁法は、1月26日に発表され、3月1日から施行される予定だった(2022年2月15日記事参照)。なお、今回の発表では延期後の新たな施行日は明示されなかった。

弁法は、マネーロンダリング、テロリズム対策などの観点から金融機関に対し顧客管理強化を求めたもの。金融機関に口座を開設している個人顧客が、1回当たり5万元(約90万円、1元=約18円)以上もしくは1万ドル相当以上の外貨の現金預け入れ・引き出しを行う場合、金融機関は顧客の身分証明資料を確認し、資金の出どころや用途を登録する必要があるなど、高額な取引などに対する管理強化が求めていた。

中国人民銀行関係者は記者会見で、延期の原因について「弁法では、各種の金融商品および業務の方式について具体的なルールと必要な対応を示したが、一部の中小金融機関から、内部の管理制度、情報システム、業務フローの整備や、従業員への研修を行う必要があるとの声が上がったため」と説明した。

(河野円洋)

(中国)

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