デジタル・交通省、トヨタの燃料電池車リースに最大1,200万ユーロ助成

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年02月17日

ドイツの国家水素・燃料電池技術機関(NOW)は2月10日、トヨタのサブスクリプションサービス会社であるKINTO(キント)ドイツに、最大1,200万ユーロを助成すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。今回の助成は、ドイツが実施する「水素・燃料電池イノベーション国家プログラム(NIP)」によるもので、デジタル・交通省が行う。

KINTOドイツは助成を受けて、「MIRAI」を営業車用に月額539ユーロ(付加価値税額を除く)からリース提供する。具体的には、KINTOが提供するリースサービス「KINTO One」で、整備費、冬タイヤ費用なども含まれる。原則として頭金なしで契約期間は48カ月、走行距離は4万キロまでとなる。

KINTOは2021年4月、ケルンにKINTOドイツを設立し、新しいモビリティーサービスを開始した。具体的には、ドイツで「KINTO One」と呼ばれる新リースサービスや「KINTO Share」というシェアリングサービスなどを提供している。トヨタドイツのアンドレ・シュミット社長は「MIRAIに代表されるように、われわれのマルチテクノロジー戦略により、効率的なガソリン車から、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、そして、燃料電池車まで、さまざまなニーズに応じた車種とパワートレインを提供することができる」とコメントしている。

NIPによるデジタル・交通省の助成では、ドイツで車両リースなどを手掛けるアレイン・モビリティー・グループ(Allane Mobility Group)が2月、現代自動車の燃料電池車「ネッソ(NEXO)」を最大800台調達、顧客にリースすると発表している(2022年2月4日記事参照)。

連邦自動車局(KBA)によると、2021年のドイツにおける新車登録台数は262万2,132台(2022年1月13日記事参照)、うちトヨタブランドは7万1,890台、シェアは2.7%だった(注)。燃料電池車の登録台数は464台で、そのうち、トヨタ「MIRAI」が308台、現代自動車「ネッソ(NEXO)」が152台だった。燃料電池車が新車登録台数全体に占める割合は0.02%という結果だった。

(注)レクサスブランドを除く(3,116台、シェア0.1%)。

(高塚一)

(ドイツ)

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