米上院、3月11日までのつなぎ予算可決、次の焦点は2022年本予算へ

(米国)

ニューヨーク発

2022年02月18日

米国上院議会で2月17日、3回目となる2022年度(2021年10月~2022年9月)の連邦政府の本予算成立までのつなぎ予算が賛成65、反対27で可決した。共和党からは19人が賛成に回った。現行のつなぎ予算は2月18日までの期限となっていたが(2021年12月6日記事参照)、これまでと同じく今回も期限ぎりぎりでの成立となった。つなぎ予算は、今後速やかにジョー・バイデン大統領に送られ、署名を経て発効する見通し。

成立したつなぎ予算は、先日下院で成立したもの(2022年2月10日記事参照)から変更はなく、人件費など政府機関運営のための継続必要経費について、3月11日まで資金を政府に手当てする。なお、ハワイ州のレッドヒル燃料貯蔵施設からの水質汚染物質の流出への対処費用についても、下院通過版のつなぎ予算と同じく引き続き盛り込まれている。

次の焦点は、2022年度本予算に移る。報道では、予算規模は1兆5,000億ドル程度で与野党間で合意しているとされているが(ポリティコ2月16日)、国防費と非国防費の割合や非国防費における個別分野の予算配分については、今回のつなぎ予算の期限である3月11日までに各委員会などで調整しなければならない。加えて、バイデン政権は新型コロナウイルス対策資金が払底してきているとして、2022年度本予算に追加で300億ドルを要求しているとされており、新たな調整事項も生じているもようだ(ブルームバーグ2月15日)。

2021年11月に成立し、実施に移されているインフラ投資雇用法における新規投資額5,500億ドル(2021年11月9日記事参照)は通常予算での手当て分も含むため、2022年度本予算が成立しなければ、同法のインフラ投資の一部が支出できなくなる可能性がある。仮に3月11日までに本予算がまとまらず、4回目のつなぎ予算となった場合には、同法の支出スケジュールにも影響を及ぼしかねない。3月1日には、バイデン大統領による議会での一般教書演説も予定されている。バイデン大統領が議会や国民にどういったことを訴えて、本予算を期限までにうまくまとめられるか、今後の調整に注目が集まる。

(宮野慶太)

(米国)

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