アフリカの感染者数が減少傾向、大陸累計は1,100万人に

(アフリカ)

中東アフリカ課

2022年02月16日

アフリカ大陸の感染状況は、オミクロン株による第4波(2022年1月17日記事参照)から一転して落ち着きを取り戻しつつある。1日の新規感染者数は1万5,000人程度で、今後も減少が見込まれる(2月15日現在)。第4波のピークが遅れた北アフリカでは、1月末にチュニジアやモロッコ、アルジェリア、エジプト、リビアの5カ国で1日当たりの新規感染者数が2万人にのぼったが、2月15日現在は各国1,000~3,000人程度で推移している。南アフリカ共和国は3,000人台で下げ止まっているものの、目立った増減はみられていない。ナイジェリアやケニア、エチオピアなどの経済主要国は50~100人程度と低く抑え込んでいる。なお、大陸全体の累計感染者数は1,100万人を超えた(2月8日、オックスフォード大学「Our World in Data」)。

WHOアフリカ地域事務局のマツディソ・モエティ事務局長は2月10日、アフリカ大陸がこの2年間でより賢く、より早く、より良く感染拡大に対処してきたことを評価し、現在の傾向が続けば、アフリカ大陸は2022年にパンデミックをコントロールできるようになると述べた。ただし、引き続き医療の管理・検査体制を充実させて警戒する必要があると留意した。世界銀行によると、アフリカでは新型コロナによって4,000万人が最貧困に追い込まれ、感染対策の解除が1か月遅れるたびに138億ドルのアフリカ域内総生産(GRP)が損なわれていると推定される。同局長は、今後も新型コロナウイルスの感染拡大が長引くとしながらも、2022年はウイルスが残した混乱と崩壊に終止符をうち、われわれの生活を取り戻すと言明した。また、アフリカでは、新たな変異株の到来とともに過去4回の感染拡大がみられ、感染者数はその都度増加しているが、重症化率は従来株と比べて高くなっているとはいえず、効果的な対策により感染拡大の期間が短縮していると指摘した。

なお、オミクロン株のうち、変異が異なる型「BA.2」(ステルス・オミクロン)について、アフリカ疾病予防管理センター(CDC)のジョン・ケンガソン所長は2月10日のメディアブリーフィングで、「BA.2」が南アで流行していると述べた。この変異は既にボツワナ、ケニア、マラウイ、モーリシャス、モザンビーク、セネガルで検出されており、その他の地域でも存在する可能性があるとした。

(小林淳平)

(アフリカ)

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