欧米の対ロ制裁、在ロシア日系企業の活動に打撃

(ロシア、ウクライナ、米国、欧州)

モスクワ発

2022年02月28日

ジェトロは西側諸国による対ロ制裁発動を受け、2月24、25日の両日、在ロシア日系企業向けに緊急アンケートを実施した。回答企業89社のうち77社(87%)が「すでに悪影響がある/悪影響が予想される」と回答した。

具体的な影響(複数回答)では、ルーブル為替レート下落に伴うコスト増・販売価格への影響(71%)、海外企業との海外送金/入金決済の困難(52%)、物流の混乱(40%)、ロシア国内での販売減少(39%)などのほか、ロシアに対するイメージ悪化からくる本社・在欧統括会社のロシア・ビジネス方針の変更も39%と比較的高かった。駐在員の退避を決定、または検討しているところは13%だった。その一方で、ロシアからの輸出に関係する企業にはルーブル安を肯定的に捉える声もあった。

対策としては、制裁対象以外での口座開設、通貨を米国ドル以外に変更するなどの金融面、運転資金の確保・引き上げ、配当金支払いの前倒しなど、資金面に関する声が多かった。製造業では、部品・原材料の在庫確保、輸入原材料の調達先の変更/現地調達化の検討などの声も上がった。

今後半年から1年後の事業見通しでは、現状維持が54%と最多だった一方、縮小が17%に上った。拡大は16%だった。2022年1月末に実施した景況感調査(2022年2月22日記事参照)では、今後1~2年後の事業展開は拡大=31%、縮小=3%、維持=56%だった。今回の制裁措置は日系企業のロシア・ビジネスへの取り組みに大きく影響したといえよう。

縮小の理由としては、ルーブル安によるコスト増、為替の悪化や制裁による市場の低迷とビジネス機会の減少、制裁によりロシア国内に拠点持つことがリスクとして認識されること、などが挙がった。現状維持とする回答の中にも、不安材料が多く様子を見ながらの対応、制裁のマーケットへの影響を見通せない、ロシア経済の先行きが不明瞭で不安定との意見がみられ、今後の状況次第では見通しが一層悪化する恐れもある。

緊急アンケートは、モスクワ・ジャパンクラブとサンクトペテルブルク日本商工会の協力の下、ロシアに所在する日系企業約210社を対象に実施し、89社から回答を得た。回答企業のうち、製造業は17社、非製造業(メーカーの販売会社を含む)は72社だった。

(梅津哲也)

(ロシア、ウクライナ、米国、欧州)

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