2021年の外国直接投資、申請・認可ともに日本が首位

(タイ)

バンコク発

2022年02月18日

タイ投資委員会(BOI)は2月14日、2021年のタイへの外国直接投資統計PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。申請ベースでは、投資額が前年比2.7倍の約4,553億バーツ(約1兆6,391億円、1バーツ=約3.6円)、投資件数が9.0%減の783件となった(添付資料表1参照)。

申請額を国・地域別にみると、日本は前年比47.5%増の約807億バーツ、シェア17.7%で首位だった。中国は25.3%増の約386億バーツでシェア8.5%の2位、シンガポールは81.9%増の約297億バーツでシェア6.5%の3位だった。

認可ベースでは、投資額が前年比11.3%増の約2,807億バーツ、投資件数が16.5%減の771件だった(添付資料表2参照)。投資額を国・地域別にみると、日本は14.2%増の約735億バーツで、シェア26.2%の首位となった。中国は14.7%減の約476億バーツで、シェア17.0%の2位。米国は2.5倍の約342億バーツで、シェア12.2%で3位だった。

日本の大型(10億バーツ以上の投資)認可案件としては、石油化学品製造(180億バーツ)、工業用化学品製造(68億バーツ)、輸送機器用ボールベアリング製造(33億バーツ)などがあった。投資認可額2位の中国は、オーディオビジュアル製品製造(95億バーツ)、タイヤ製造(73億バーツ)、太陽光機器・同部品製造(3つのプロジェクト合計で94億バーツ)など。3位の米国は、環境配慮型化学品またはポリマーの製造(196億バーツ)、アドバンス・マテリアルあるいはナノ・マテリアルを材料とする製品製造(10億バーツ)などがあった。

タイ政府が産業高度化を目指す「タイランド4.0」でターゲット産業とする12分野の投資状況をみると、タイ資本も含めた申請ベースでは、投資額でデジタルが大きく伸びた(8.7倍、140億バーツ)。医療(2.8倍、622億バーツ)、石油化学・化学(2.7倍、484億バーツ)、バイオテクノロジー(2.1倍、219億バーツ)、電気電子・エレクトロニクス(2.1倍、1,045億バーツ)、観光(2.0倍、164億バーツ)も大幅に増えた(認可ベースでの詳細などは添付資料表3~6参照、2021年11月1日記事参照)。

政府は環境にやさしく、二酸化炭素(CO2)排出量削減に資する投資を奨励しており、農業・加工食品、バイオテクノロジーなど、バイオ・循環型・グリーン(BCG)関連投資申請が継続して伸びている。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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