1~9月の外国直接投資申請額は前年同期比3.2倍に

(タイ)

バンコク発

2021年11月01日

タイ投資委員会(BOI)は10月27日、2021年第3四半期まで(1~9月)のタイへの外国直接投資統計を公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。申請ベースでは、投資額が前年同期比3.2倍の3,721億バーツ(約1兆2,650億円、1バーツ=約3.4円)、投資件数が6.1%減の587件となった(添付資料表1参照)。

申請額を国・地域別にみると、日本は前年同期比83.2%増の678億バーツとなり、シェア18.2%で首位だった。米国は9.0倍の269億バーツでシェア7.2%の2位、シンガポールは2.2倍の約269億バーツでシェア7.2%の3位に上がり、中国は16.9%増の237億バーツでシェア6.4%となり、4位に下がった。

認可ベースでは、投資額が前年同期比20.3%減の1,658億バーツ、投資件数が24.3%減の562件となった(添付資料表2参照)。投資額を国・地域別にみると、日本は32.2%減の323億バーツで、シェア19.5%の首位となった。中国は42.0%減の299億バーツで、シェア18.0%の2位だった。

タイ政府が産業高度化を目指す「タイランド4.0」においてターゲット産業とする12分野の投資状況をみると、タイ資本も含めた申請ベースでは、投資額でデジタルが大きく伸びた(8.6倍、90億バーツ)。また、医療(4.1倍、592億バーツ)、石油化学・化学(3.4倍、368億バーツ)、バイオテクノロジー(2.7倍、210億バーツ)、電気電子・エレクトロニクス(2.1倍、772億バーツ)、観光(2.1倍、163億バーツ)も大幅に増えた。これら産業への投資増加の背景には、他国からの生産拠点の移転、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワーク推進に伴う需要、感染防止用製品の需要増加があるとみられる(そのほか、認可ベースでの詳細などは添付資料表3~6参照、2021年8月17日記事参照)。

(高谷浩一、トンワニッチャノッパクン・ニチャーパッタラ)

(タイ)

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