補正予算成立、北部紛争の戦費負担が中心に

(エチオピア)

アディスアベバ発

2022年02月08日

エチオピア人民代表議会(下院)は1月28日、2021/2022年度の補正予算1,220億ブル(約2,806億円、1ブル=約2.3円)を可決した。このうち約900億ブルがティグライ州を中心とした北部紛争への対応の軍事関係予算で、当初予算(220億ブル)と合わせて5倍超に膨れ上がった。その他の支出項目でも、80億ブルが緊急食糧調達に、50億ブルがアムハラ州やアファール州など紛争被害を受けた地域の復興に充てられるなど、ティグライ州に端を発する北部紛争が大きく影響した補正予算となった。

補正予算の財源となるのは、徴税強化や借り入れ増加が中心となりそうだ。国内歳入は、電子納税の導入もあり、2021/2022年度の当初5カ月間の実績は計画の90%水準にある。国内借り入れは金融機関への財務証券の販売が主な手段だ。議会審議では、イオブ・テカリン財務国務相が当初予算の組み替え(約250億ブル)や節約(50億ブル)にも努めたことを明らかにしている。

エチオピアの予算年度は7月8日から翌年7月7日で、当初予算は5,616億ブル規模だった(2021年7月14日記事参照)。今回の補正予算は、この5分の1程度の規模となる。

(関隆夫)

(エチオピア)

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