米GM、ミシガン州で過去最大の70億ドル規模の投資発表

(米国)

シカゴ発

2022年02月01日

米国ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)と自動車メーカー大手ゼネラルモーターズ(GM)のメアリー・バーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は1月25日、同州での電気自動車(EV)や自動運転車の製造などに関連し、2025年までに70億ドルを投資し、5, 000人規模の新規雇用を行うと発表した。

GMが今回発表した投資金額は、同社にとって過去最大規模だ。内訳は、ミシガン州にあるオリオン工場を大型EVピックアップトラック用生産工場に改修するために40億ドル、GMが韓国のLGエナジーソリューション(LG化学の子会社)との合弁会社アルティウム・セルズ(注)の新型電池アルティウムバッテリーの第3工場(同州ランシング市とデルタ・タウンシップ)の建設に25億ドル、ランシング地域にある2つの生産工場の最新鋭化に5億ドルを充てる予定となっている。

ウイットマー知事は「ミシガン州の将来は明るい。私は、地域経済に革新的な投資と新たな雇用を創出し、働く家族に潤いと元気を与えてくれる人々との協力を継続したい」と述べ、GMの歴史的な投資を歓迎した。同州政府はミシガン州戦略ファンドを通じ、GMに資金援助を行う予定で、今回のGMの大型投資により、今後20年間にGMやその関係会社、サプライヤーなどが生み出す個人所得は288億ドルになると見込む。

GMのバーラ会長兼CEOは「GMはEV業界でリーダーシップを発揮する努力を継続している。今般、米国でのバッテリー生産と北米のEV生産に投資することで、われわれの努力は次のステージへと進化する」とした上で、「今回の投資はミシガン州知事や州政府、地域自治体や全米自動車労組(UAW)、LG化学の支援なしには成しえなかったこと」として、関係者に謝意を表した。

バイデン大統領は同日に声明を発表し、「本日のGMによる歴史的な大型投資の発表は、私の経済政策が米国の歴史ある製造業の復活を後押ししている証しといえる。私の政権は、政権発足の初日から、米国が世界のEV製造の未来をリードすることに強く焦点を合わせてきた」とコメントした。

(注)アルティウム・セルズは2021年4月にテネシー州でアルティウムバッテリーの工場を建設すると発表した(2021年4月19日記事参照)。また、2022年1月27日には、同社がオハイオ州ウォレンに建設中の電気自動車(EV)用バッテリー工場に、カナダのバッテリーリサイクル会社「ライ・サイクル(Li-Cycle)」と提携し、リサイクル施設を開設する計画が明らかとなった(2022年2月1日記事参照)。

(粕川眞由、斎藤秀美)

(米国)

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