米石油ガスのタロスとフリーポートLNGデベロップメント、CCS事業で提携

(米国)

ヒューストン発

2021年11月17日

米国石油ガス開発会社タロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン、以下、タロス)と米国のフリーポートLNG(液化天然ガス)プロジェクトを運営するフリーポートLNGデベロップメント(本社:テキサス州ヒューストン、以下、FLNG)は11月15日、メキシコ湾近郊のフリーポートLNG施設での二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクトを展開するための合意書を締結すると発表した。

両社は、本プロジェクトにおける最初のCO2圧入が2024年末までに実施されるとしている。タロスは本プロジェクトの管理者および運営者となり、タロスのパートナーである英国のカーボンマネジメント会社ストレッガ・ジオテクノロジーズ(本社:ロンドン、以下、ストレッガ)も参画する。タロスとストレッガは、2021年6月8日にCCSベンチャーを設立すると発表している(2021年6月10日記事参照)。

本プロジェクトは、最長30年のCO2圧入期間となり、回収地点から0.5マイル(約0.8キロ)以内に位置するFLNGが所有する貯留場を活用し、CO2を恒久的に貯留する。本貯留場の25マイル内の周辺には、産業部門からのCO2排出として年間1,500万メートルトンが見込まれるため、将来の本貯留場が拡張される可能性がある。

FLNGについては、国内外で火力発電や再生エネルギー事業などに取り組むJERA(本社:東京都中央区)が11月15日に出資を発表している(2021年11月16日記事参照)。

タロスは8月25日に、米国CCS開発会社カーボンバート(本社:デラウェア州ドーバー)と連携し、テキサス州東部のボーモントとポートアーサー付近にあるジェファーソン郡CCSプロジェクト用地のリース権を落札したと発表している(2021年8月27日記事参照)。10月18日には、英国エンジニアリング大手テクニップFMC(本社:ニューキャッスル)と、メキシコ湾岸部でのCCSプロジェクトの技術的および商用的なソリューションを策定・提供するための長期的な戦略的提携を締結すると発表している(2021年10月21日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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