米国の対ロ追加金融制裁、中央アジア諸国の為替業務に影響も

(ウズベキスタン、ロシア、ウクライナ)

タシケント発

2022年02月28日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2月25日、電話による首脳会談を実施した。ミルジヨエフ大統領はプーチン大統領に対して、「ウズベキスタンはロシア、ウクライナの双方と友好的な関係にあり、この状況に対して中立的な立場だ」と伝えている。

一方、米国が2月24日に発表したロシアの金融機関に対する追加制裁(2022年2月25日記事参照)は、ウズベキスタンのみならず中央アジア各国の金融機関での対ロシア向けの為替決済業務への余波が懸念される。

ウズベキスタンのハムコルバンクは2月25日、ロシア最大の商業銀行ズベルバンクのオンラインアプリケーションを経由した送金の受け付けを停止した。ただし、ハムコルバンクは、これは技術的な理由によるもので、停止は一時的なものだとホームページで説明している。同じく制裁対象のロシアのソフコムバンクに買収されたウズベキスタン農業輸出銀行は、両替業務を停止したと報道されている(スポット2月25日)。

ウズベキスタン外務省によると、2022年1月1日時点で、ウズベキスタン国内にウクライナ資本を含む企業は173社活動しており、うち96社が合弁企業として登記されている。2022年にはウクライナ企業の参加による4件、総額1,650万ドルの投資事業が予定されているが、同省は「このような状況で実現は難しいだろう」と述べている。

(高橋淳)

(ウズベキスタン、ロシア、ウクライナ)

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