増派米軍の一部がルーマニアに到着、大統領が歓迎

(ルーマニア、ウクライナ、ロシア)

ブカレスト発

2022年02月15日

ロシア国防省は2月8日、ロシア軍艦が演習に参加するため地中海からボスポラス海峡を通過して黒海に向かって航行すると発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。2月14日の「ディフェンスルーマニア」は、さらに、ロシア国防省がカスピ海のロシア軍艦を黒海と地中海に移動させることを決定した、とのロシア現地紙の報道を引用、黒海沿岸でも緊張が高まっている。カスピ海は、ボルガ-ドン運河を経由し黒海につながっている(2020年11月27日記事参照)。

ドイツから派遣された増派米軍約1,000人(2022年2月3日記事参照)とルーマニア軍との合同演習を目的とする、「タスクフォース・クーガー(TF Cougar)」と命名された米軍部隊は、先遣隊100人が既にルーマニアに到着しており、宿営設営の確保について協議していることを、2月8日にバシレ・ドゥンク国防相がブカレスト市内の軍病院で記者団に明かした(「ナインオクロック」2月9日)。2月9日夜、タスクフォース・クーガーの一部の装甲車がルーマニア西側国境を通過して、ミハイル・コガルニチェアヌ・ルーマニア軍基地に向かったと報じられている(「ナインオクロック」2月13日)。

ルーマニアは2004年にNATO加盟以来、米軍900人、ポーランド軍250人、イタリア軍140人を受け入れてきている(「ラジオ・ルーマニア・インターナショナル」2月11日)。今回の米軍増派は、ルーマニア軍にとって過去最大の外国軍受入れとなる。元軍人のニコラエ・ヨネル・チウカ首相はテレビ番組で、ロシアとウクライナの緊張緩和のための外交努力と米軍増派はルーマニアの安全保障に大きな役割を果たすが、万全ではないことを国民に伝えたい、と述べた(「ナインオクロック」2月13日)。

クラウス・ヨハニス大統領は2月11日、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長、ミルチャ・ジョアナ事務次長(元ルーマニア外相でNATO初の旧東側陣営出身事務次長)とともに、タスクフォース・クーガーの一部が既に到着した、黒海沿岸に近いミハイル・コガルニチェアヌ・ルーマニア軍基地を視察した。現地での記者会見で、ヨハニス大統領は「ルーマニアの国土はクリミア半島からわずか200マイル(約320キロ)しか離れておらず、ウクライナとは北と東の国境の400マイル以上を接している」と安全保障上の脅威を明確にしたうえで、「ルーマニアは軍備を増強してきており、あらゆるシナリオに対応できる。さらにルーマニアは歴史上最も強力な軍事同盟であるNATOの一員だ」「ルーマニア人は恐れる必要はない」と、タスクフォース・クーガーを歓迎した。ストルテンベルグNATO事務総長は、ルーマニアにおけるNATO軍の存在はNATO団結の証明だと強調した(「ナインオクロック」2月14日)。

(西澤成世)

(ルーマニア、ウクライナ、ロシア)

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