日本・インドの「特許審査ハイウェイ」、3年目の申請受け付け開始

(インド、日本)

ニューデリー発

2022年01月07日

インド特許庁(IPO)は12月20日、日本とインドの「特許審査ハイウェイ(PPH)」(注)試行プログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに係る申請受け付けを開始した。両国間のPPH枠組みは、日本企業がインドで迅速に特許権を取得できるようにすることを目的に、3年間を試行期間として2019年12月5日に始まり、今回の募集が3年目となる。

IPOは日印PPHの枠組みで、日本からのPPH申請を年間最大100件まで受理する。日本からの申請者は、IPOと日本特許庁(JPO)が公表する日印PPHガイドラインPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に従い、特許出願の技術分野や申請時期などの要件を満たすことを確認した後、所定の様式に基づいてIPOに申請を行う。ただし、PPH申請が受理されるためには「PPH申請された出願の実体的な審査が開始されていない」ことが条件になるため、申請者は事前にIPOの公開データベースInPASS外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで審査のステータスを確認することが推奨される(ステータス確認の方法についてはJPO資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)参照)。

インドでの特許権取得期間が大幅に短縮

特許審査に時間がかかるインドで、PPHによる審査期間短縮の効果は大きい。ジェトロが2021年10月に発表した調査報告書PDFファイル(6.9MB)によると、IPOに特許出願をした後、IPOの案件に対する最初の見解を示した審査結果(FER;First Examination Report)を得るまでにかかった期間は平均16.9カ月(2020年、以下同)、特許の登録までにかかった期間は平均6.7年だった。一方、これまでの2年間で日印PPHの枠組みを利用した案件では、約9割が6カ月以内にIPOのFERを得ており、特許登録も約8割が1年以内、全ての案件が2年以内に完了している(添付資料「図1 出願から最初の審査結果(FER)を取得するまでの期間の比較結果」、「図2 出願から特許登録までの期間の比較結果」参照)。

(注)「特許審査ハイウェイ(PPH:Patent Prosecution Highway)」とは、各国知財庁間の審査協力枠組みの1つ。第一庁(先行庁:例えばJPO)で特許可能と判断された出願について、出願人の申請により、第一庁と本取り組みを実施している第二庁(後続庁:例えばIPO)で簡易な手続きで早期審査が受けられる。

(渡部博樹)

(インド、日本)

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