スーダンでゴマの商談会が開催

(スーダン、エチオピア)

カイロ発

2022年01月27日

スーダンの首都ハルツームで1月20日、同国産ゴマの日本、韓国、EU向け輸出拡大を目的としたセミナー兼商談会が開催された。主催者は国連工業開発機関(UNIDO)、国連食糧農業機関(FAO)で、現地のゴマ生産企業22社が出席した。日本からは、アフリカ産のゴマを取り扱う主要な商社のほか、スーダンへの関心が高い企業約20社がオンライン参加した。

スーダンは世界最大のゴマの生産国で、2020年の生産量は約153万トンだった(添付資料表参照)。ゴマはスーダンの輸出総額の約8%を占める主要産品となっている。過去にEUなどで品質が問題視されたことにより、現在はその大部分が、エジプトやサウジアラビアなどのアラブ諸国や中国向けに輸出されているが、ゴマペーストなど加工品向けの低価格での取引が主だ。

セミナーでは冒頭、農業省および商工会議所会頭より、現地生産者に対して、日本を含む輸入相手国のニーズに合致する品質のゴマを生産することで、輸出を拡大してほしいとの意向が示された。また、バイヤーに向けては、2021年は作付面積の増加に加え、気候が良好なため豊作だったとの説明のほか、輸出減少の原因であるサルモネラ菌汚染への対策としてのトレーサビリティの強化を含む、品質向上プログラムが実施されていることが紹介された。セミナーに登壇した現地生産企業は、自社の色識別機の活用事例について言及した。個別商談に参加した日本企業の1社は、日本市場で求められる規格や、残留農薬許容基準などの関心事項を説明した。

ハルツームでは、2022年1月2日のハムドゥーク首相の辞任発表(2022年1月7日記事参照)後も、軍の支配に対する市民の抗議活動が続いている。また、ゴマの生産地はカダーレフ州や北コルドファン州だが、国内の政情不安に加え、隣国エチオピアからの難民の流入などによる影響が報道されていた。治安状況や「新型コロナ禍」の影響で、生産者とバイヤーの交流機会が限定される中、重要な情報共有の機会となった。

(福山豊和)

(スーダン、エチオピア)

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