スーパーマーケットで動物福祉ラベルの活用広まる

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2022年01月21日

ドイツでは近年、動物福祉の取り組みが進んでいる。例えば、ディスカウントスーパー大手のアルディは1月13日、遅くとも2030年から動物の飼育条件を表す「畜産ラベル」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによる飼育環境(Haltungsform)の基準3または4を満たす自社ブランドの牛乳のみを販売すると発表した。

同ラベルは民間団体「畜産における福祉推進協会(Initiative Tierwohl)」が2019年4月に開始したもので、それまで統一されていなかった動物性食品の動物福祉ラベルを統一、飼育環境を4段階に分類し、消費者に動物福祉の基準を分かりやすく表示する制度。基準1は、既存の法律に適合する最低限の飼育環境の水準を満たしていることを示す。基準2は、畜舎で飼育するスペースを法定面積よりも10%以上拡大し、通常の濃厚飼料のほかに粗飼料にも畜舎内を快適に保つしきわらにもなる麦わらを与えるなどの指示がある。基準3では、さらに広いスペースや新鮮な空気との接触確保が追加で必要だ。基準4では、基準3より広いスペースを与えた上、放牧やケージ外での飼育の機会も与えなければならず、有機家畜に当てはまる基準となる。

アルディだけではなく、ドイツのほかのスーパーマーケットやディスカウントスーパーも次々と、牛乳に畜産ラベルを表示すると発表した。同ラベルの酪農製品に対する使用は1月から可能になったが、それ以前から、牛肉や豚肉、鶏、七面鳥などには使用可能だった。スーパーマーケットチェーンのレーベとレーベグループ傘下のディスカウントスーパーのペニーは2021年8月、2030年までに牛、豚、鶏の精肉は基準3または4の商品のみ販売する方針を示した。また、エデカも冷凍鶏肉や鶏、豚の精肉は基準2以上、リドルは豚肉について基準2以上の商品のみを販売すると発表している。

こうした動きの背景には、動物の福祉を重視する消費者が近年、増加傾向にあることが挙げられる(2021年5月31日記事参照)。連邦政府は以前から国による公的な動物福祉のラベル制度の導入を計画していたが、新政権は連立協定書(2021年11月26日記事参照)で、2022年中に動物の輸送や食肉処理時の環境も加味した畜産ラベルを導入する予定と発表した。また、家畜の種類に応じた飼育環境を整えるために必要な施設の改修を支援する予定。

さらに、産卵鶏の雄は肥育に向いていないため、ドイツでは毎年約4,500万の産卵鶏の雄のひながふ化後に処分されているが、1月1日に、卵からかえった雄のひなの処分を禁じる改正動物保護法が施行された(連邦政府プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2024年からは、ふ化前のひなが痛みを感じないように抱卵7日目以降の鶏の胎児の処分も禁じられる。このため、卵の性別を早期に判定し、雌の卵のみふ化させる、あるいは雄のひなも飼育・肥育し、肉を加工食品の原料として利用することになっている。

(ベアナデット・マイヤー)

(ドイツ)

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