2021年の対外投資は「一帯一路」沿線国向けで増加、RCEP域内の投資拡大に期待
(中国)
北京発
2022年01月26日
中国商務部は1月20日、2021年の中国の対外直接投資額が前年比2.2%増の9,366億9,000万元(約16兆8,604億円、1元=約18円)と発表した。ドルベースでは9.2%増の1,451億9,000万ドルだった。
商務部の束珏婷報道官は2021年の対外投資の特徴として、(1)「一帯一路」沿線国への投資増加、(2)大型対外請負プロジェクト増加、(3)国外の経済・貿易合作区(国外で中国側が主導で設置する工業団地)の設立に顕著な成果があったことを挙げた。(1)については、「一帯一路」沿線国への非金融分野の投資が14.1%増の203億ドルに、(2)は、新規契約額が1億ドルを超えたプロジェクトが前年比46件増の560件となり、特に交通・運輸などのインフラ分野に集中、(3)では、2021年末時点で合作区が46カ国に建設され、累計投資額は507億ドルに達し、設置国で66億ドル分の税収増に貢献したほか、39万2,000人分の雇用を創出したことを紹介した。
また、2月1日から韓国との間でもRCEP協定が発効すること(2022年1月20日記事参照)について、「中韓両国は電子、機械、自動車、繊維などの分野で幅広い協力関係にある。RCEP協定で中韓両国がハイレベルの市場開放について譲許したことは、両国の貿易・投資の自由化・円滑化に向けより良い条件を提供することとなった。協定発効は統一的な大市場の形成や、中日韓を含めたアジア・太平洋地域のサプライチェーンの深化にも資する」とした。
上海立信会計金融自貿区研究院の肖本華副院長は、2022年の対外直接投資は「一帯一路」沿線国に加え、RCEP参加国での増加が期待できるとし、インフラ投資と産業園区での協力などが主な成長分野になるだろうとした(「証券日報」1月21日)。
(河野円洋)
(中国)
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