IMFの2022年経済見通しは4.4%に、米中の下方修正が影響

(世界)

国際経済課

2022年01月26日

IMFは1月25日、「世界経済見通し」(英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。2021年の経済成長率(実質GDP伸び率)を5.9%、2022年を4.4%とした(添付資料表参照)。前回(2021年10月)の見通し(2021年10月13日記事参照)と比較すると、2021年を据え置き、2022年の見通しを0.5ポイント下方に修正した。

2021年の経済成長率が据え置かれたものの、オミクロン変異株の感染拡大やサプライチェーン混乱の長期化などの下振れリスクが同年下半期から顕在化し、特に欧米や中国などの大きな経済圏における景気減退を引き起こしたと分析する。また、2022年の見通しとしては、2021年下半期からのリスクに加え、エネルギー価格高騰などに起因する高インフレの長期化、先進国での利上げなどの金融政策の転換などが要因となり、景気回復の勢いは弱まると指摘する。

2022年の予測値をみると、前述した2021年下半期からの下振れリスクの継続から、軒並み前回見通しから下方修正している。欧米では、港湾混雑などに起因する供給混乱や移動制限の再実施などが影響している。うち、米国では、セーフティーネットの強化や富裕層・企業への増税などを盛り込んだ気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」の成立の遅れ、金融緩和解除の前倒しなどを勘案し、2022年の経済成長率は4.0%と、前回から1.2ポイントの大幅減となった。中国では、ゼロコロナ戦略による厳しい移動制限、不動産部門で長期化する金融問題などにより、0.8ポイント引き下げの4.8%とした。

また、新興国・地域においては、高インフレによる内需の圧迫や米国の下方改定の影響による外需見通しの悪化などにより、ブラジルおよびメキシコでは1ポイント超引き下げるなど、中南米地域における大幅な下方修正が目立った。

2023年の予測は3.8%と、前回から0.2ポイント上方に修正された。サプライチェーンの混乱や高インフレといった2022年の景気押し下げ要因の段階的な緩和により、2023年の成長率はわずかに回復が見込まれるとの見通しだ。2022年末までの世界的なワクチン接種率と治療効果の向上を前提としながらも、2022年の景気減退に伴う反動増としての機械的な上方修正だと指摘した。

今後の世界経済の見通しについては、(1)ワクチン接種率や新たな変異株の出現リスクなどのパンデミック動向、(2)米国における量的緩和政策の縮小による影響、(3)サプライチェーンの混乱の緩和時期、(4)インフレ率の動向、(5)中国の不動産業の不振、の5つの主要課題に左右されるとし、下振れリスクの動向と、それによる世界経済への影響の程度が懸念されている。

(田中麻理)

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