政府が新たな消費刺激策を閣議承認

(タイ)

バンコク発

2022年01月28日

タイ政府は1月24日の閣議において、新たな個人消費支援策を承認外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2022年2月から開始する。各政策における主なポイントは以下のとおり。

1.観光業に対する支援策:「ラオ・ティアオ・ドゥアイカン(タイ語で『一緒に旅しよう』の意)」。個人旅行者に対する旅費(宿泊費、航空運賃、食事、土産など)に対して補助金を支給する。本予算は90億バーツ(約297億円、1バーツ=約3.3円)。実施期間は2022年2月1日から7月31日まで(6カ月間)。

2.国内消費刺激策:「コン・ラ・クルン(タイ語で『半分ずつ』の意)」(2020年12月16日記事参照)の第4弾。食品や飲料(アルコール飲料を除く)、生活必需品、スパ、マッサージ、理髪などのサービス、および公共交通機関などの支出に対する50%分を補助する。本予算は348億バーツ。対象者数は約2,900万人を上限とする(福祉カード所有者を除く18歳以上のタイ国籍を有する者)。既にシステムに登録済みの2,798万人に加え、新規登録者約100万人。1人1日当たり最大150バーツ、1人当たりの補助金は最大で1,200バーツ。実施期間は2022年2月1日から4月30日まで(3カ月間)。

3.低所得者向けの支援策:福祉カードを所持する低所得者(対象者は1,345万人)などに対し追加の資金援助を実施する。予算は80億7,100万バーツ。1人1カ月当たり200バーツ、3カ月間で最大600バーツを支給。実施期間は2022年2月1日から4月30日まで(3カ月間)。

4.特別な支援が必要な者のための支援策:生活必需品などを購入するための特別な追加の資金援助を実施する。本予算は13億5,200万バーツ。対象者は、インターネットに接続していない者、スマートフォン非保持者、高齢者、障がい者、寝たきりの病人などの最大225万人が対象。1人1カ月当たり200バーツ、3カ月間で最大600バーツを支給。実施期間は2022年2月1日から4月30日まで(3カ月間)。

アーコム・タームピッタヤーパイシット財務相は、これらの消費喚起策が、2022年のGDPを0.21%押し上げる効果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますがあると予測している。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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