ちよだ鮨、ホーチミン市で2号店をグランドオープン

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年01月31日

日本のすしチェーン大手のちよだ鮨(すし)は1月25日、ベトナム南部のホーチミン市内に2号店となる「ベンタイン店」(ホーチミン市1区)をグランドオープンさせた。

同市では2021年、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた厳格な社会隔離措置の実施により、外食産業が深刻な打撃を受け、閉店した飲食店も多い(「労働者」紙など)。現在は規制緩和下で経済活動も徐々に回復しているが、今回のちよだ鮨による新店舗開店はこうした苦境を乗り越えての事業拡大となった。

同社は日本では持ち帰りずしの販売店など200店舗以上を展開。2016年にベトナムに進出し、ホーチミン市内に1号店(注)をオープンした。ベトナムでは、日本から直送した食材を使用して、江戸前ずしに限らず、刺し身や天ぷら、鍋料理などさまざまな日本食を提供している。そのため、在留邦人はもとより、その他の在留外国人やベトナム人からも広く親しまれている(2021年日本産食材サポーター店インタビュー参照)。

同社は2021年7月以降、ベトナム政府が講じた厳格な社会隔離措置の影響により、長期の休業を余儀なくされた。しかし、10月以降、まずはデリバリーとテークアウトから店内飲食へ営業を順次再開。現在、ホーチミン市では、新型コロナウイルス感染状況が比較的落ち着いており、感染リスクが最低レベルに下がる中(2022年1月18日記事参照)、今回の新店舗グランドオープンを迎えた。

同日に開催されたオープンセレモニーには、ちよだ鮨の中島正人社長や、合弁事業パートナーの地場企業ロータス・フード・グループのレ・バン・メイ社長、在ホーチミン日本総領事館の渡邊信裕総領事らが出席。

中島社長は「2店目の出店まで非常に長い時間を要したが、今後の事業拡大に向けた土台ができた」「2店体制を軸に出店を加速していく」と説明した。また「ちよだ鮨のミッションは、日本の確かな技術に基づいたおいしいすしと和食を誰でも気軽に楽しんでもらうこと。ミッションを実現すべく努力を継続する」と抱負を述べた。

渡邊総領事は「多くの方がちよだ鮨ですしを食べ、日本の食文化に触れるとともに、ベトナムの豊かな食生活への貢献がなされ、ベトナム人の一人一人が日本にさらに親近感を持つことを期待したい」と述べた。

写真 オープンセレモニーの様子(ジェトロ撮影)

オープンセレモニーの様子(ジェトロ撮影)

写真 店内風景(写真左)、マグロ解体パフォーマンス(ジェトロ撮影)

店内風景(写真左)、マグロ解体パフォーマンス(ジェトロ撮影)

(注)1号店は2016年12月、ホーチミン市1区のパスター通りに出店した後、2022年1月に同3区所在のサイゴンコートに店舗を移転。

(阿部浩明)

(ベトナム)

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