王毅外相がアフリカ3カ国を訪問、「アフリカの角」の担当特使任命を表明

(ケニア、中国、エリトリア、コモロ)

中東アフリカ課

2022年01月18日

中国の王毅国務委員兼外交部長は1月4日から7日までの日程で、エリトリア、ケニア、コモロのアフリカ3カ国を訪問した。中国の外相は1991年以降毎年、年始にアフリカを訪問しており、2022年で32年連続となる。

王外相は1月4日、最初の訪問国エリトリアでイサイアス・アフォルキ大統領と会談した。会談でイサイアス大統領は、インフラ、鉱物資源、農業、人材開発などの分野での協力を中国に期待すると述べた。意見交換は、地中海とインド洋を結ぶ要衝地域「アフリカの角」の情勢についても及んだ。王外相は翌5日、エリトリアのオスマン・サレー外相とも会談し、王外相はエリトリアへ1億元(1,570万ドル)(約18億円、1元=約18円)の追加支援を提供すると発表した。

1月6日には、王外相はケニアのモンバサ港の石油ターミナルの竣工(しゅんこう)式に参加し、ウフル・ケニヤッタ大統領と会談した。王外相は今回の訪問について、(1)アフリカの新型コロナウイルス克服に協力すること、(2)ケニアの工業化を支援すること、(3)連携強化により地域の平和を守ること、を表明するものだと述べた。その後、レイチェル・オマモ外相との共同記者会見では、「アフリカの角」の担当特使を任命する方針を表明した。王外相は、安全保障を目指した地域内の対話の強化や、モンバサ-ナイロビ鉄道とアディスアベバ-ジブチ鉄道から周辺国への拡大、および紅海沿岸と東アフリカ沿岸の開発により、地域の安全と発展、ガバナンスの課題解決に向けて支援できる、と述べた。両者は、植物や水産物の検疫を規定した協定を含む6つの協定を追加し、ケニアのアボカドと水産物のさらなる輸出促進を図ることに同意した。

同6日、王外相はインド洋に浮かぶ島国コモロの首都モロニで、同国のドイヒール・ドゥルカマル外相と会談した。王外相は、(1)1年以内に全国民のワクチン接種を完了すること、(2)2025年までに同国でマラリアを撲滅すること、(3)2030年までに新興国入りを目指すコモロへFOCAC(中国・アフリカ協力フォーラム)で実施を表明した9つのプログラム(2021年12月7日記事参照)をつうじた支援、の3つの目標達成に協力すると述べた。

(小林淳平)

(ケニア、中国、エリトリア、コモロ)

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