新型コロナ・オミクロン株対応で、2月14日からワクチン接種の有効期限を9カ月に

(シンガポール)

シンガポール発

2022年01月06日

新型コロナウイルスのシンガポール政府タスクフォースは1月5日、オミクロン型変異株の感染拡大に対する予防策として、2回のmRNAワクチン接種の有効期限を270日間(9カ月)と設定すると発表した。2月14日から、2021年5月20日以前(270日前)に2回のmRNAワクチン接種を打ち、3回目の追加接種(ブースター接種)していない18歳以上の住民は「ワクチン接種者」としての認定を失うことになる(注)。

オン・イエクン保健相は2021年12月14日、2回のワクチン接種に対して有効期限を設ける方針を示していた(2021年12月15日記事参照)。同国では感染対策としてワクチン接種の有無に応じた安全管理対策を導入しており、飲食店やショッピングモールなどは原則、ワクチン接種者と認定した人しか入店が認められない。また、1月1日からは原則、ワクチン接種者でないと出社が認められなくなったほか、2月1日から就労査証を含む長期パス、学生ビザと永住権者(PR)の新規申請については、ワクチン接種が条件となる(2021年12月27日記事参照)。

2月14日からワクチン接種者と認定されるには原則として、3回の接種が必要となる。保健省によると、1月4日時点で2回のワクチン接種を完了した人は人口の87%、ブースター接種者が43%となった。12月27日からは5~11歳の子どもを対象にしたワクチン接種が始まっている。

オミクロン株、最悪シナリオで感染者が1日当たり1万5,000人へ拡大も

保健省によると、1月5日に新規に確認された新型コロナウイルスの感染者は805人と、最も感染者が多かった2021年10月27日の5,324人と比較すると減少した。しかし、12月末から再び感染者が増加傾向にある。オン保健相は1月5日の会見で、確認されたオミクロン株感染者が累計で2,252人と、感染者全体の約2割と低いが、「(オミクロン株の)感染が急拡大するのは時間の問題で、その準備をする必要がある」と強調した。保健省のケネス・マック医療サービス局長は同会見で、最悪の場合、オミクロン株の感染ピークで1日当たり1万5,000人に達する可能性があると述べた。

(注)270日間の有効期限は、2回のワクチン接種を終えて、新型コロナウイルスに感染した人には適用されていない。感染して2回のワクチン接種を終えていない場合には、1回のmRNAワクチン接種が必要(シノバックのワクチンの場合は2回の追加接種が必要)。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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